本日お届けする「ファンサイト通信」で第1000号。記録を辿れば第1号は2002年3月29日に配信している。ここに至るまで、21年と2ヶ月余り。書籍にすると2,452ページ、300ページ強で8冊分になる。よく飽きもせず続けてこれたものだと、我ながら思う。どんな想いで書き続けてきたのか。その経緯が2006年4月に上梓した『企業ファンサイト入門』(日刊工業新聞社刊)の「あとがき」に記されていたので一部引用する。
“ 会社発足一ヶ月前から始めたことがあります。それはファンサイト通信という、毎週一回配信のメールマガジンです。スタート時点での配信数はわずか三通。いまではたくさんの方々に見ていただけるようになりました。
そのファンサイト通信で、いまも変わりなく続けているのは、政治や経済など、大上段に構えた事柄よりは、庭の木々の変化や仕事で気づいたことなど、仔細なことについて私が常日頃感じたことや、自分の胸のうちを明かし、思いを伝えようとしていることです。
それは、日々の活動のなかで、なぜ自分がその事柄に目がいったのかという自分自身の気づきと発見を記すことを通して、あらためて社会的な関わりの中で成長しているのだということがわかりかけてきたからです。そこには、会社を始める前とはあきらかに変わった自分がいるのです。そして4年もの間、ほぼ毎週金曜日配信し続けてこられた理由は、このメールマガジンを通して私自身を「宣言」するということでした。
勤めていた会社から独立し起業しようと思い立ったとき、これから進む先がまるで荒海のように眼前に広がっていました。大きく激しく得体の知れないうねりを見て躊躇し、なんともいえない不安と恐怖で立ちすくみました。それでも、この荒海を渡ろうとしたとき、新たな地としての彼岸にたどり着くためにいかなる施策をとるか。その方法は渡ることを「宣言」し、そして勇気をもって飛び込むしかないのです。
通例、正当性をもって語られることもなく、ばかげていると一笑に伏されるような話かもしれませんが、実はこうした方法でしか彼岸へは渡れないということは、多くの先達から聞き及んで久しいことです。
行動したことや行動すべきことを書きながら、考える。思い描いたことを書く。すなわち「宣言」することで、思いと行動を一致させていくのです。当然のことですが、思い描くことが一般的で抽象的であるよりは、具体的でくっきりとしているほうが、より実現できる可能性が高くなるはずです。”
驚くほどにいまも、考え方の軸が変わっていない。成長していないのか、それとも頑固なのか・・・。
改めて思う。日々触れる様々な出来事やニュース、読んだ本や映像といったものの大半は、自分の中で一過性のものとして消えてしまう。それでも時々、心の襞に引っかかっり澱のように残るものがある。やがてその澱の濁りが心の中で沈殿し、鎮まった後にもう一度、水の底を見てみる。そうした作業を通して、“引っかかって残ったもの”や“沈殿したもの”を「ファンサイト通信」に書いてみる。
社会はすぐには変わらなくても、半径数十メートルで生まれた小さなさざなみが、その後うねりとなって世界を変える。「ファン」と企業との新たな関係づくりもその一つであると信じている。その結果、小さな事象かもしれないが社会が良き方向に変化するかもしれない。これからもこうした想いで、出来る限り「ファンサイト通信」を書き続けたい。
第1001号以降もご高覧のほど、引き続きよろしくお願いします。
6件のフィードバック
おおおおおお!凄い!1000号!おめでとうございます!これからも末永く続いていきますね!楽しみにしてます!
白濱さん、ありがとうございます。ようやく1000号です。これからもご高覧のほど、よろしくお願いします。
真似のできないこと。凄いの一言につきます。
「驚くほどにいまも、考え方の軸が変わっていない。成長していないのか、それとも頑固なのか・・・。」
・・・でしょうね・・・
はじめて、神田で出会った頃と、何もかわらず、「カッコイイ」、以上。
南谷くん、ありがとう。嬉しいよ。
1000号、おめでとうございます!
既に1001号が出ているのに、少し間の抜けたコメントですが
ご容赦ください。
前号から今号への流れ、そして冒頭の自画像、飾らず実直に、それでいて
とても心に染みてきます。毎回、じわっと。
川村さんのいちファンとして、これからも応援しております。
小田切さん、ありがとうございます。励みになります。これからもよろしくお願いします。