第1009号『根岸線沿線に横浜らしさがある』

根岸線が開通してから50年になるという。根岸線?と言われてもピンとこない方も多いのではないだろうか。僕自身、永らく横浜に住んでいながら、根岸線はどこを指しているのかよく理解していなかった。大宮・東京方面から横浜駅を経由して大船方面を往き交う水色の電車は京浜東北線で、その一部だとは思っていたが・・・。

Wikipediaによれば、”京浜東北線は、埼玉県の大宮駅から東京都を経由し、神奈川県の横浜駅を結んでおり、根岸線は、神奈川県の横浜駅から大船駅を結んでいる、ともにJR東日本の鉄道路線です。 大宮駅から大船駅までを結ぶひとつの路線として「京浜東北・根岸線」と呼ばれることや、根岸線をまとめて京浜東北線と表す場合があります。”さらに、歴史資料で振り返れば、根岸線は1872年、日本初の鉄道である新橋(後の汐留)~横浜(現在の桜木町)間で国営鉄道として施設され、現在の横浜~桜木町間に相当する区間が開業。そして、桜木町駅から先は戦後に建設され、1964年に桜木町~磯子間、1970年には磯子~洋光台間が開業し、続いて1973年、洋光台~大船間開業により全線開通した。とある。

先日、古くからの友人が横浜に遊びに来てくれた。中華街で食べ、関内で飲み、親交を温め楽しい時間を共有することができた。年に数回ではあるが、遠路横浜に訪れてくれる仲間たちがいる。その時々にお連れする場所を変えるのだが、振り返れば、僕が案内するのは桜木町、関内、石川町といった根岸線の延長線上あるエリアがほとんどなのだ。

例えば、桜木町。海側にみなとみらい地区の観光地があり、根岸線を挟んで、反対側に野毛の歓楽街がある。もともと、みなとみらい地区は三菱造船所の跡地を利用したもの。そこで働く労働者が、仕事帰りに立ち寄ったのが野毛の街。例えば、関内。海側に旧市役所、県庁、裁判所などがあり、根岸線を挟んで、日本で最初に出来たモール街、伊勢佐木町や関外吉田町の歓楽街が広がっている。そして、石川町を降りれば、元町と中華街がある。

ちょっと気取ったおもてなしの街、みなとみらい。エネルギーに溢れ無礼講な街、野毛。どこか東南アジアな混沌を楽しめる街、伊勢佐木町。音楽フィスや食イベントを仕掛ける、吉田町。一見気取っているようにみえるが案外庶民的な街、馬車道。唯一無二のプライドを感じる街、元町。なんでも受け入れ、飲み込んでしまう街、中華街。

どれも自分らしい顔立ちを持ち、それぞれの街に独自の個性がある。この魅力的な街から街へ、少し頑張ればすべて歩いていける範囲なのだ。もちろん、街ごとに旨い店も、居心地の良い飲み屋も、歴史的建造物も点在している。

根岸線沿線のこの個性的な街たちが、最も横浜らしいのかもしれない。僕はそんなふうに思っている。でも唯一共通するのは、浜風。どの界隈にいても気持ちいい風を感じる。こんど、横浜においでの節には、ぜひご案内したい。

2件のフィードバック

  1. なつかしい・・・と感じるほどに
    山々に囲まれた南信州に馴染んでしまった。
    空青く、真っ白な入道雲が谷あいを見下ろし、
    天龍の流れは清らかに、はるか山合を縫って太平洋に向かう

    いま、ふたたび『南信州女性フォーラム』企画中
    10月7日〜9日です
    なぜ ”女性” いれるのか?

    1. 南信州、機会があれば遊びに伺いたいと思っています。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です