先週、金曜日の朝、顔を洗いに洗面所に立った。目に薄っすらと膜がかかっているように感じた。ティッシュペーパーで拭うと目やにだった。さらに鏡を覗き込むと両目が充血している。加えて身体全体の筋肉が痛く、だるさも伴う。そして、悪寒も走る。体温を計ると37,8度。(前号1067号で、さんざん元気が一番と威勢の良いことを言っていたのにトホホである)これは、間違いなく風邪だろう。TVニュースでインフルエンザが急増しているとの報道を昨晩見たばかりでもあり、ひょっとしたらそれかもしれないと思った。
午前中に予定していた仕事を片付け、午後一番に病院へ行った。いつもに比べたら少し混んでいたが、それでもあまり待つこともなく診察してもらえた。担当医から2、3の問診を受け、インフルエンザの検査をすることになった。鼻に長い柄の綿棒のようなものを入れられ、粘膜を採取された。そして十数分で、検査結果が出た。幸いにもインフルエンザではないものの、風邪ということで薬が処方された。週末、成人の日の祝日もあり土曜日から3連休。残念ながら予定していたトレレーニングをすべてキャンセルし、風邪の治療に変えざるを得なくなった。
ところで、前回風邪をひいたのは(日記で振り返ってみると)2021年の7月だったから、およそ3年6ヶ月ぶりということになる。久しく風邪に罹っていなかった。コロナ時期でもあったし、外出も控えていたからだろう。
今回の風邪は、熱こそあまり出ないが、喉の痛みと鼻水、そして、咳が断続的に襲ってくる。鼻が詰まる、耳も遠くなる、加えて目やにで目がかゆい。ボーとし、思考停止状態になり、まことに不愉快この上ない。早く治したいと逸る気持ちになるが、どんなに薬を飲もうが点滴を打とうが、なってしまったからには一定の時間を経ない限り、風邪は治らない。頭では分かっているのだが・・・。
布団の中で、久々に野口晴哉著「風邪の効用」を再読した。ペラペラとページをめくると、線が引いてある箇所で目が止まった。
”風邪は偏り運動修正や潜在的偏り疲労の調整を行っていることは事実である。(中略)体を正し、生活を改め、経過を待つべきである。このようにすれば、風邪が体の掃除になり、安全弁としてのはたらきをもっていることがわかるだろう。”
なるほど、風邪は体の掃除の役目をしているのか。3年半もの間に溜まった毒素が、いま、身体の中で暴風雨のように荒れ狂っているのだろう。そうであるなら、この時間は無駄どころか必要不可欠なものであろう。そんなふうに思えてきた。ならば焦らずジタバタせず、しっかりと風邪と付き合うことにした。