第463号『愛が足りない』

【陽のあたる壁】
【陽のあたる壁】

時折、いじわるで、負けず嫌いな自分が、頭をもたげる。

例えば、議論の最中、熱くなると、なんとかして、相手を負かしてやろうという気持ちが湧く。
本来、人ではなく、議論の問題点をみつめるべきなのに。
あるいは、厭なことが続き、機嫌がよくないときに限って、他人の小さなミスが気になり、思いやりなく、なじってしまうこともある。

こうして、仕事で、日々の生活の中で、相手を傷つけたり、困らせてしまう。

なぜ、いじわるな気持ちになるのか。
それは、おそらく、その時の自分に自信が持てなくて、不安な気持ちになっているからだ。
厭な気分を回りに振りまき、険しい顔つきをすることで、相手も困ったり、悲しい思いをする。
そのことで、自分の厭な気分を相手に伝搬させ、忘れようとする。

でも、そんなことをしても、気分は晴れない。
いや、相手に厭なことを言ったり、したりした以上に、自分にドロリとした悪意の塊が跳ね返ってくる。

こんな時こそ、自分と向きあうことが必要だ。
そして、じっくりと自分を見つめていると、その原因が見えてくる。
それは、大概、相手に対する思いやりや、敬意を粗末に扱っていることが多い。
つまり、問題の根本は、ものごとに愛情をもって接していなかったことにある。

問題を複雑にせずに解決するためにも、自省を込め、一つ一つ丁寧に考え、想像しながら動き始めることだ。

1件のフィードバック

  1. 川村様

    ご無沙汰しております。料理家の山本ちかこです。

    ファンサイト通信、いつも楽しく拝見しております。
    今日の「愛が足りない」、まったくもってその通りだ!!!と、
    自戒の念もあり思わず「いいね!」ボタンを押してしまいました。

    愛ですよね、愛!

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