先日、ファンサイト通信への投稿で、ユウジロウさんというニックネームの方からメールをいただきました。
ユウジロウさんからのご意見は、ファンなんて、作為的にできるものではないといった内容でした。
ファンは自然発生に生まれるものだと。
そう思っている人も、少なからずいるのではないか。
はっきり言えば、カワムラの発言は、どうも眉唾ものだな、と。
ユウジロウさんのメッセージと、僕の返信も並記し、全文まま、見ていただくことにしました。
———————ユウジロウさんからのメッセージ
突然のメッセージお許しください。
しばらくあなたのブログを拝見させていただいていたのですが
どうしても
気になって気になって我慢が出来なくなったので
一言だけお許しください。
ファンとは無理して作るものではないと思います。
他人を分析してできるものではないような気がします。
自分がやっていることに賛同し勝手についてくるのがファンではないでしょうか?
フォレストガンプを覚えていますか?
走っているうちに気がついたらたくさんの人が後ろについてきた。
ファンとは狙って作るものではありませんよ。
—————-ここまで
—————-ここから僕の返信。
お世話様です。
ファンサイトのカワムラです。
貴重な、ご意見ありがとうございます。
また、ご高覧にも感謝しております。
ここ3回書いている内容は、いずれも、なんらかの形で私自身が、ファン作りの取り組みにかかわってきた事例です。
後付けで成功したことをあれこれ言っているものではなく、当初、ほとんどファンが
いない状態
から付き合ってきた案件ばかりです。
そして、これ以外にも、ファン作りの成功事例を見てきました。
そうした中で、やはり成功している事例には、共通する要素がいくつかあることにも気がつきました。
世の中に存在するものは、どんなものでも、必然性があるのではないでしょうか。
一生懸命がんばっている姿に人が共感するというのも、ファンが出来る要素の1つではないでしょうか。
狙ってあざといことをやれば、所詮、見抜かれてしまうのは当然とおもいます。
それでは、ファンがつくはずがないのも、また当然だとおもいます。
僕は、ファンを狙って作ることを奨励しているつもりはありません。
ただ、ファン作りに共通するものを理解した上で、出来るだけ誠意をもって取り組むことには、
意義があるのではないかと発言しているつもりです。
また、ご意見いただければ幸甚です。
よろしくお願いします。
ファンサイト有限会社 川村隆一
—————-ここまで
ユウジロウさんからのご意見をいただき、僕自身、改めてファンとは何かを、考えてみる機会を得た。
そして、A社のウォーキングシューズの販促を通して、ファンの存在に気付いてから、
もう10数年、このテーマを追い続けていることも。
今回、紹介するのは、あえて、3年前の2010年9月2日ファンサイト通信
第394号「五島列島小値賀島」を再記載をすることにした。
ファンは勝手についてくるものではなく、考えて、仕掛けて、動いて、はじめて
生まれてくるものだという典型的な事例としてご覧いただきたい。
—————ファンサイト通信第394号「五島列島小値賀島」
先週、夢の扉を開けようとしている男に会いに行った。
長崎県五島列島、小値賀(おぢか)島。
面積12.22km²、人口2942人。
漁業と農業以外、主な産業はない。
高齢化は長崎県で最も高く、しかも、毎年100人上の人々が島から出て行く。
高齢化と過疎化が進む典型的な町である。
この町で昨年、1億円の売り上げを稼いだ男がいる。
男の名は、高砂樹史 44歳。
現在、NPO法人 おぢかアイランドツーリズム協会、専務理事である。
この、何も無い島に1万人もの人を集客した。
もともと、高砂氏はこの島の出身ではない。
京都の大学を出た後、劇団わらび座のメンバーとして活動していた。
5年前、この地で子育てをすると決め、家族と島に移り住んだ。
住みはじめて、気が付いたのが過疎化の問題。
このままでは、終の住処と決めた町が崩壊する。
この事態を回避するにはどうしたら良いか?
全ては、ここから始まった。
彼は何をしたか。
体験学習というカタチで、福岡や東京・大阪からの修学旅行を誘致した。
だが、島にあるホテルや旅館の数は限られている。
高砂氏は考えた。
子供たちに、島の人々の家で宿泊してもらう。
漁師の家では、魚をさばき、農家では、野菜の収穫を手伝い、獲れたもので食事の支度をし、みんなで食卓を囲む。
こうしたふれあいが心に響き、遺る。
「また、小値賀島に行ってみたい」と、子供たちや先生に評判となった。
これを、「民泊」と名付けた。
そしていま、この成功を次へと繋ぐプロジェクトが、始動している。
それは、古い民家を宿泊施設やレストランとして再生し、あらたな集客と、雇用を生み出そうとしている。
夜、高砂氏と酒を飲み、島の料理を喰らい、想いを聞いた。
彼の野武士のような無骨な面構えと屈強な体躯からは、想像もつかない笑顔にやられ、ファンになった。
——————ここまで
なぜ、『小値賀島』が成功しているのかを備忘的にまとめたものが、当時のノートにメモしてあった。
いくつか列挙する。
『小値賀島』成功の秘密
・小値賀島のファンになり、島に移住してきた高砂さんが、島の良さをコンシェルジュ目線で、島民に伝えることに成功した。(自ら生活している場の価値の発見と共有)
・旅行者自らが動き、考え、学ぶという体験学習をテーマにした旅のニーズが潜在的に存在していた。
・当初、大阪、福岡エリアの修学旅行に的を絞って展開したのも効果があった、また、単なる観光ではなく、体験をテーマにして いる点で旭山動物園の行動展示と共通するものがある。
・畑仕事や食事の支度を通して、島民とのタッチポイントを通し島のファンとなり、自分のこととして口コミすることができた。
・古民家再生の景観(ランドスケープデザインも含めて)が優れていた。
今回で、ひとまずファンを集めることに成功している場所のご紹介は、中締めとする。
これからも事例を含め、ファンとは何かを追求し、報告したい。
2件のフィードバック
川村さん、まず、
あなたのおっしゃることは十分理解した上で
私は意見をしています。
それでは、今回の事例に関して私の意見です。
「五島列島小値賀島」と高砂氏の関係が気になります。
氏はなぜこの島へ移り住んだのでしょうか?
なぜ子育てをしようと大きな決意をしたのでしょうか?
島が彼にファンになるように仕掛けたのでしょうか?
違いますよね、氏が勝手にほれ込んだんですよね?
とても魅力的だったんでしょう。純粋に狂信者(ファン)と化していったのでしょう。
そして移り住んだ氏はその魅力にさらに取りつかれたのでしょう。
そして彼は気がついたのでしょう、現実に。
島の経済、そして島の過疎化、その他さまざまな問題に。
この島を何とかしようと思ったのでしょう、島のファンとして。
もしかしたら「これは儲かるぞ」と単純に考えたのかもしれません、
それはそれで良い事です。資本主義には大切な考え方です。
そして問題解決のために商売、営業活動・マーケティングを仕掛け、一所懸命
誠実に働いたのでしょう、そして成功にこぎつけた。(この段階で氏の魅力も大切です。)
商売とは緻密な戦略を立てそれを実戦に移しそして結果を出すものです。
『これだけの商材だったらきっとお客さんはお金を払ってくれるだろう。』
なんて考えることは商売として当たり前のことです。
その商材がその魅力的な島だったわけですよね。
高砂氏は氏がファンであるその島に対し何か
結果を残したことはすばらしいお話です、感銘を受けました。
その島はファンを集めるために作られたものなのでしょうか?
最初に書いたとおり高砂氏が勝手にほれ込んだことが始まりですよね?
氏が 狂信者(ファン)になってしまったのですよね?
そしてみんなに紹介をしたのですよね?島としては勝手にファンが増えた、
という結果にはなりませんか?
私から見えるものは、高砂氏のマーケティングが成功しさらに
その努力をお客さんに喜んでもらいリピーターを生んだという結果で、これは
脈々と受け継がれているごく普通の商売のセオリーのような気がします。
金儲け中心の現代においては逆に新鮮に見えるのかもしれませんね。
私の頭の中身はこういう風に物事を捉えています。
当然、川村さんの中身とは違うでしょう。
決して川村さんがお考えのように眉唾だなんてことは考えていません。
被害妄想だと思いますよ。
そんなことではなく『ファン』というテーマを追い続けている
あなたにひとつ提言させて頂いただけたらと思っているだけですので
誤解の無きよう。
最後に、あなたの文章の中にはっきりと『高砂氏のファン』になった
と記載がありますがその気持ちは自然発生的なものでは無かったですか?
きっと氏はすばらしいカリスマ性をお持ちなのでしょうね。
魅力的な人なんでしょうね。
私の意見が少しでも謎解きのヒントとなることを祈っております。
けっして口論・個人攻撃を仕掛けるための投稿ではないことをご理解ください。
ファンは時として野次も飛ばします、阪神タイガースファンのように。
今後、川村さんあなた自身にファンがもっともっと増えることをお祈りしています。
P.S.ちなみに世の中には悪魔や汚いもの、どうしようもない奴にもファンは存在します。
あ、それから『鳥肌』って言葉どうですかね?私は1週間に4~5回たってます。
失礼します。
ユウジロウさん、コメントありがとうございました。
今後とも、ご高覧いただければ幸甚です。