気がつけば、1月も半分を過ぎた。
根拠も無く、出遅れたのではないかと逸る気持ちになる。
それでも、事態は日々刻々と変化する。
そして、生きている限り全ては前へと進む。
さて、ボクにも変化が起きた。
それは、新しい家族が加わったこと。
昨年4月、長きにわたり共に暮らしてきた愛猫「リズ」が亡くなった。
暫くして、いつでも 何気なくそばに居てくれたリズの姿がないことに気付いた。
そして、寂寥感に包まれた。
もちろん、彼女(リズ)の死は悲しい出来事ではあったが、15歳5ヶ月と高齢でもあ
たので、致し方ないことだと割り切っていたのに、なぜこれほどまでに寂しさを感じ
たのだろう。
ボクでさえ、こうした状態だったのだから、生まれて間もないころから、リズを育て
てきた妻にとっては、堪え難い悲しみの日々だったと思う。
猫の話しは勿論のこと、ペットのペの字すら会話に上らなかった。
こうして、夏と秋が過ぎた。
住まいと仕事場を兼用していることもあり、スタッフも猫がいることに慣れている。
しかし、仕事の邪魔になることもある。
打ち合わせ中に、書類の上に寝転がる。
キーボードの上を悠然と歩いて渡る。
作業の効率ということでいえば、必ずしも良くはない。
(リズにしてみれば、すべて分かった上での行動である。「イライラせず、もっと
肩の力を抜いて楽しく仕事してよ」と、言っていたのだ。)
そんなことも考え、ペットは暫く飼わなくてもいいのかなとも考えていた。
年の暮れ、買い物帰りに妻がペットショップに立ち寄ろうと言い出した。
ほんの気まぐれだったのか、それとも何かを受信したのか・・・。
ともあれ、出会ってしまったのだ。
並んでいるゲージの中に、生後2ヶ月のベンガル種の子猫がいた。
ゲージから出してもらい、妻がその子を抱いた。
そして、ゆっくりと呟いた「家に来るか?」と。
子猫は「ミュー(待ってたよ)」と鳴いて答えた、ような気がした。
妻はリズと亡くなる間際、約束したことが2つあったと言う。
(どうやら、妻は普段からリズとはそうとう会話を交わしていたようである)
1つ目は、リズ(ロシアンブルー種)から自分と比べてあれこれ思い出すことのな
いよう、違う種類にしてと言われていたこと。
2つ目は名前。
「リズ」の妹で「リリィ」にしようと決めていた。
そして、我が家に新しい家族が加わった。
やんちゃで食いしん坊な女の子、名前は「リリィ」という。