例えば3+4は、7としか解を導けない。
ところが、7となる解は、1+6、2+5、3+4、0+7と4つもある。
問いを別な視点で視るだけで、解へのアイディアは1つではないことに気付く。
これまでの経験でいえば、問題そのものを解くことは、簡単ではないが難しくはない。
むしろ、問いの設定が解決を困難にしていることが多い。
さらに、自分たちこそが正しい、こうでなければならない、と、硬直した設定と立ち位置から動こうしない。
こうして、人は予断を持つに至る。
うんざりするほどに馬鹿げた、日銀総裁人事のドタバタ劇も、こうした事例の1つかもしれない。
人は予断を持つから、期待が生まれる。
そして、予想通りにならないと不愉快になる。
世の中、なかなか思うようにならない。
いや、むしろ何もかも、上手くいかないことのほうが当り前だ。
もっと言えば、僕は予定通りにいかないことのほうが面白いと思っている。
そこにこそ、味わいがある。
想定外のことに人は誰しも、揺らぐ。
揺らぎをありのままに受け止め、楽しむ。
この揺らぎを、古人は「風流」と呼んだ。
なの花のとつぱづれ也ふじの山 一茶