就職活動の人事面接でひとりの学生が質問した。
「御社は、私の能力をどのように育ててくれるのでしょうか。」
大手流通企業に務める知人から聞いた、嘘のような本当の話しである。
その知人が、続けてこうも言った。
最近、若手社員の「モチベーション」をいかに上げるかが、当面の課題なんだ、と。
学生の話しにも驚いたが、若手社員のほうが問題の根は深い。
「モチベーション」(動機付け)を上げる。
この言葉に抵抗を感じた。
本来、「モチベーション」とは、上げるものなのか。
仕事を進めるということは、目的を共有していることが前提である。
例えば、1つのプロジェクト遂行のために、チームとして集まるということは、その動機付けも明確でなければならない。
もし、仮にモチベーションを上げなければならない社員がいたとすれば、そのプロジェクトを遂行するリーダーの情報伝達不足ということは考えられる。
しかし、それ以外は、その社員がプロジェクトに加わること自体に誤りがある。
なぜならば、そのプロジェクトに加わることの意義を見つけ出し、自分の能力を十分に発揮することこそが仕事のおもしろさでもあるからだ。
そのためには、どうするか?
言い旧されたことではあるが、自らの頭で考え行動する力が必要なのだ。