シルバーウィーク最終日、千葉南房総市千倉のロードレースに出た。
海から吹く風は爽やかだが、日差しは夏のように強烈だった。
走りはじめて数分、汗が吹き出す。
暑さのせいか、随分スタミナを消耗していると感じた。
それにしても足が重い。
そして、5キロ地点を過ぎたころ、顔は引きつり急に歩きたいという衝動にかられた。
熱は、水分ばかりではなく気力も笑顔をも奪いとる。
レースコースには数カ所給水場がある。
6キロ地点に設置されている給水場までなんとか走り、オーバーヒートした体内に水を流し込み、さらに頭からかぶる。
しばらく立ち止まり、フー、と深呼吸してみる。
目の前に広がる海は、穏やかにキラキラとひかり輝いている。
ほんの数十秒も休んだだろうか。
気持ちが前向きになり「よし」と、小さくかけ声をかけ、また走り出す。
50歳を過ぎてから、レースで決めていることが3つある。
・ 立ち止まったとしても、絶対に歩かないこと。
・ 笑顔で走ること。
・ 声援には「ありがとう」と声をだして返礼すること。
沿道で声援を送ってくれる、お婆さんや子供たちの「頑張れ」のことばに「ありがとう」と返事をする。
自然と顔もほころぶ。
10キロ、1時間04分40秒、タイムは過去最低。
でも、楽しく走り続けるコツはやはり声を出し、笑顔でいることだと再確認した。