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クルマを手放してから、2年。
持っていないと、いざというときに困るのではと思った。
しかし、これまでのところ特段、不自由な思いはしていない。
いや、むしろ快適でさえある。
駐車場やガソリン代、さらに保険、車検といった維持費がいらない。
それに、夫婦揃って飲んべいなのでクルマで出かけた時は、どちらかがガマンすることになっ
たが、いまでは、行き帰り心配なく飲むことが出来る。
いいこと尽くめである。
7月最後の週末、山梨県道志村周辺を自転車で走っていた。
その長い坂で、いやというほど多くのクルマとすれ違った。
もはや、クルマにはなんの関心もない。
わざと幅寄せするクルマもあり、むしろ自転車にとっては敵。
ところが、一台のクルマに眼がいった。
そのクルマには、Mのエンブレムがある。
マツダ ロードスター。
美しいと思った。
クルマを見て久々にドキドキ、ワクワクした。
ファンサイトを起業して2年目、ご縁がありマツダのウェブサイトのトップページのコンペに
参加することになった。
当然のごとく、並みいる強豪相手に敗退。
あろうことか、翌年も声を掛けていただきコンペに参加。
この年、大手代理店H、大手印刷会社D、ウェブ大手のM、大手通信メーカーNなど、競合は6社。
オリエンテーションから3週間、盟友であるスーパースタジオの佐藤豊彦氏と渾身のプレゼンを
した。
プレゼンは、広島本社。
会場には、各部署から集まる20数名のプロジェクチームに対して行われた。
このとき、ボクには手応えがあった。
しかして、奇跡は起きた。
3週間後、マツダ広報のM氏からボクの携帯に連絡が入った。
「おめでとうございます。審査の結果ファンサイトさんにお願いすることになりました」と。
丁度その時、神田駅東口近くにあるサンマルクで、打ち合わせをしていた。
電話を切り、あまりの嬉しさに、周りを気にすることもなく諸手を上げガッツポーズをした。
その頃からマツダはZoom Zoomというコトバを全社で共有していた。
このコトバの由来は、欧米の子どもがクルマに乗ってブーブーと言うそれである。
1990年代、マツダは国内販売100万台を掲げ、販売チャネルを5つ増やし、新車を大量にリリ
ースするも施策はどれも振るわず、倒産寸前まで追い詰められた。
この経験を経て、マツダの方向性が変わった。
オリエンテーションでも、それ以後に関わった社員の方々も口々に言う。
「人の役に立てる製品づくり」を「人を笑顔にすることができるクルマ」を、そして極めつけ
は「ファンのための理想の追求」と。
少なくとも、売上3兆円の企業であるにも関わらず、まるで青臭い高校生のようなコトバが
飛び交う。
おそらく、いま、マツダが輝いているのはファンのためにこうした愚直な想いを貫いているか
らこそではないか。
マツダ車が欲しいと思った。
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夏休み期間のお知らせです。
いつも、ファンサイト通信のご高覧ありがとうございます。
8月14日(金)および8月21日(金)の2回。
開始は8月28日(金)からとなります。
よろしくお願いします。
皆様にとって、英気養える夏休みでありますように。
ファンサイト 川村隆一