引っ越し準備に伴って、本を処分した。
その後日談である。
友人の朝日オリコミ、戦略本部本部長補佐鍋島裕俊氏から古書店往来座を紹介された。
翌日、担当の方がふたり訪れ、堆く積んだ本をまずはキレイに並べかえた。
背表紙を見て、次にページをパラパラと捲る。
いかにも本好きだなという風情がある。
次々と手際よく本を選り分ける。
査定に擁した時間、およそ40分。
古書店往来座に引き取れた数は全体の6分の1ほど。
そして、一言、「往来座で買い取るより、ブックオフさんにお願いしたほうが高く引き取ってくれると思われるものは残しておきました。」とニコリと笑い去っていった。
その翌日、残った本の買い取りをブックオフに依頼した。
数日後、専用の運搬業者が来て箱詰めし、まるごと持ち去った。
こうして、すべて片付きキレイになった。
でも、なんだか釈然としない気分になった。
ブックオフのビジネルモデルは、平たくいえば目利きを廃し、発刊年月日と汚れ具合を見るという、いわば、誰でも査定出来る仕組みを作ったことである。
これならバイトにも出来る。
当り前のことであるが、仕入れで優位に立てれば市場でも優位に立てる。
この仕組みは、バイク王も、ガリバーも基本的には同じである。
マーケットのあるところに進出するのではなく、自らが先頭に立ち新しいマーケットを作り出す。
しかも、景気が悪くなればなるほどユーズドマーケットは活気づく。
そもそも、限定とかビンテージとはコモディティな市場があってこそ成立する。
だから、往来座も光るのだ。
では、このビジネスモデルの革新性を賞賛しつつも、釈然としない気分の原因は何か?
それは、蔵書を二束三文で投げ売ったことでもなければ、愛着の念、断ち切れないからでもなく、消費と廃棄の円環から逃れることが出来ず、むしろこの仕組みを合理として受け入れている自分自身に対してなのだ。
2件のフィードバック
ビジネスにしても人生にしても、釈然としないことって多いですよね。でも、実はこの釈然としないことが次へのステップになることも多いと最近思います。それをいかにクリアーにしていくか・・・・
今年は考える1年にしたいと思っています。ゆっくりと飲みたいですね
かぼすキングさん、コメントありがとうございます。近々、一献やりましょう。
本年もよろしくお願いします。