第449号『デザインの行方』

【開かれた扉】
【開かれた扉】

デザインの力が弱まっている。
最近、そう感じていた。
縁あって、デザイン教育の現場に30年以上関わっている。
かつてと違い、ここ数年、従来の印刷や広告デザイン関連の就職活動は低迷し、生徒募集にも四苦八苦している。

僕の中学、高校のころの愛読書といえば、親に隠れて手に入れた「週刊平凡パンチ」だった。(笑)
その紙面のあらゆるところに、作家、コピーライター、イラストレーター、デザイナー、カメラマンの表現が溢れていた。
五木寛之、寺山修司、伊丹十三、横尾忠則、粟津潔、宇野亜喜良、福田繁雄、大橋歩、篠山紀信、加納典明、等々・・・。

あたかも、新しい革袋(媒体)に新しい葡萄酒(才能とその表現)が注ぎ込まれているかのように。
そして、この広がりは日々、勢いを増していた。
こうした中、とりわけ、デザインは新しいジャンルの仕事として、輝いて見えた。

しかし、いま、デザインは特別なものではなくなった。
PCもデジカメも当たりまえのように持っている。
簡単にデザインできるツールもあり、ちょっと気の利いた人なら、フォント(文字)を選び、写真を加工し、カタチを整え、例えば友達のコンサート用のフライヤーやポスター制作など、いとも簡単に作ってしまえる。
こうして、デザインとデザイナーのコモディティ化が一段と進んでいる。

先週、書店で何気なく手に取った山崎亮著『コミュニティ デザイン』を読んだ。

引用する。
————-ここから
社会的な課題に対してデザインは何が可能なのか。
漠然と考えていたテーマが、このとき明確になった。
デザインはデコレーションではない。
おしゃれに飾り立てることがデザインではなく、課題の本質を掴み、それを美しく解決することこそがデザインなのである。
デザインはdesignと書く。
De-signとは、単に記号的な美しさとしてのサイン(sign)から抜け出し(de)、課題の本質を解決する行為のことを言うのだろう。
————-ここまで

ドクドクと胸が高鳴った。
まだまだ、デザインにはやれることがある。
デザインの可能性を信じてみたいと思った。
この人に会って、話してみたいと思った。

【今週のアンケートです】
教えて下さい。
あなたの職業は今後も存続すると思いますか?

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【先週のアンケート結果です】
教えて下さい。
あなたは、日記を書いていますか?

a.ほぼ、毎日書く。————-10.8%

b.時々思い出した時に書く。—–29.7%

c.書かない。——————-59.5%

書かない方がダントツ多数。
忙しさもあって、日々のこととなると大変なのでしょうね。

1件のフィードバック

  1. デザイナーの仕事は交通整理の様なものだと思っています。
     クライアントが何を望んでいるか、
     クライアントの自己満足にならないようにどう整理するか、
     どうすればその商品が売れるのか、
     ユーザーには何が望まれているのか、
    そんな事を考えてデザインしています。
    自分の表現だけを追求するならば、
    それはデザイナーではなくアーティストだと私は思います。

    もっと仕事したいです!

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