ファンサイト通信第1号の配信は、会社創業を翌月に控えた2002年3月だった。
資金も、仕事も乏しく、会社を立ち上げるという高揚感や期待感より、不安と焦燥に身も心も覆い尽くされ、何かせずにはいられない、そんな状況だった。
ならば、いま出来ることからやってみよう。
こうして、わずか3人の知人、友人へ近況報告と決意の程をメルマガに託し、送ったのが始まりだった。
思い起こしてみれば、その当時、事務所も自社サイトもブログも、何もかもが無いなかでのスタートだった。
第1号から数えて、今号で450回。
ここまで、9年と9ヶ月。
盆暮れと旗日を除けば、ほぼ、毎週金曜日、書き続け送り続けた。
自分はいま、何をどんなふうに考えているのか。
どんな眼差しで、ものごとを捉えればいいのか。
日々の生活なかで、自分の身体を通して血となり肉と成ったことばで伝えていけたらと、考え、書いてきた。
そのなかで、どうにもこうにも書けない、書くテーマもまったく頭に思い浮かばない、という事態に至ったことがある。
そんな時、知人から薦められた一冊である。
『私の文章修行』(朝日選書刊)のなかで、文章を書くときの心がけを、作家、宇野千代はこう開陳している。
「毎日書くのだ。(中略)書けるときに書き、書けないときに休むというのではない。
書けない、と思うときにも、机の前に坐るのだ。
すると、ついさっきまで、今日は一字も書けない、と思った筈なのに、ほんの少し、行く手が見えるような気がするから不思議である。
書くことが大切なのではない。
机の前に坐ることが大切なのである。
机の前に坐って、ペンを握り、さア書く、と言う姿勢をとることが大切なのである。
自分をだますことだ。
自分は書ける、と思うことだ。」
いまも、立ち止まる毎に、この文章を読み返す。
すると、不思議なことに勇気と元気が湧いてくる。
98歳で没した宇野千代は、晩年までこの姿勢を貫いたという。
まだまだ足下にも及ばないが、稽古を積み、鍛錬し続けたい。
【今週のアンケートです】
教えて下さい。
あなたは1年以上、何か続けているものがありますか?
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【先週のアンケート結果です】
教えて下さい。
あなたの職業は今後も存続すると思いますか?
a.あと数年。————-30.3%
b.10年は大丈夫。——–21.2%
c.20年以上続く。——–48.5%
大半の方は、10年、20年とご自分の職業の普遍性を信じ、残り3割の方は、変化の予兆を感じているということか。
もう少し深く分け入って、知りたい気分になりました。