第809号『横浜のライブハウス』

【THE VODKA】

贔屓にしているRook&Rollバンドがある。
「THE VODKA(ウォッカ)」という。
1985年結成。
横浜で活動を続けてきた。
リーダーで、ボーカルとギターの辻浩二さんを中心に、
ギターの渡辺健司さん、ベースの市川”James”洋二さ
ん、ドラムの市村政憲さんで編成されている。

僕は、どちらかというと、大音量のライブよりもCD
で音楽を聴く方が、好きなタイプだった。

仕事場も家も横浜に移して間もない頃、日の出町にあ
るライブハウス「クラブ・センセーション」(1971
年開業の横浜のライブハウスの老舗「グッピー」を2
010年にリニューアルした)の赤い大きな扉を初めて
開けた。

細長い間取りで、奥にステージがある。
いつか映画で観た英国のギグを感じさせるようなライ
ブハウスだ。

THE VODKAの演奏が始まり、音の力に驚いた。
しかも、ファンとの距離の近さ(親近感)と、応援す
るファンの熱度、そしてそれに応えようとする演奏が、
気持ちよかった。

演奏が終わり、僕の中にあったライブのイメージは変
わった。

横浜には数多くのライブ・ハウスが点在している。

関内の「セブンスアベニュー」、「カモメライブマス
ターズ」。
伊勢佐木町の「ジョンジョン」、蒔田の「アビーム」。
相鉄ムービルにある「サムズアップ」。
そして、本牧には伝説の「ゴールデンカップ」がある。

「ゴールデンカップ」からは、ディヴ平尾、エディ藩、
ミッキー吉野を擁したザ・ゴールデンカップスが根城
としていたし、その後、柳ジョージ、矢沢永吉もここ
からデビューしている。
一方、横山剣が率いるクレージーケンバンドは、長者
町の「FRIDAY」をベースに、いまもここで時々ライブ
をしている。

今夜も、横浜のライブハウスに集まるミュージシャン
たちとファンは、その熱い気持ちを共有していること
だろう。

THE VODKAの辻 浩二さんがライブが終わった翌日、
Facebookにサンキューメールを掲載した。

ここから
――――――
CLUB SENSATION みんなありがとう~!
遠くから来てくれた皆さん!
久しぶりに会えた皆さん!
いつも来てくれるみんなにサンキュー!
そして、ドア越しに見てく
れた人達も、、(笑

歌いながら、彼等を引っ張り込む力を手に入れなきゃ
と、、前の「グッピー」の頃からいつも思っていたが、
まだまだ難しいね?(笑

昨年、久しぶりにアルバムを出して、いろいろな町に
行って、沢山の出会いがあり、新しい感覚も手に入れ
た!

そして、THE VODKAのRock&Rollが何処に行くの
かを目一杯探しているんだ!

Stonesには、ならない!

Muddy Watersには、なれない!

Sam Cookeのようには、歌えない!

THE VODKAのやり方でやるしかない!
今夜少しだけ見えて来た!
今さらですが、、(笑
thank you!
Rock&Roll!!
——————

不器用だけど、前に進み続ける骨太なRook&Roll
バンド、「THE VODKA」。
そして、本気でがんばっているミュージシャンたちを
あたたかく受け入れてくれるライブハウス。
横浜のライブシーンは今夜も最高だ。