第814号『がんばれ新人』

【桜咲く】

昨年の秋、デザイン制作担当の社員が辞めた。
正直、(決して、後ろ足で砂をかけるようなことはせ
ずに辞したことは、嬉しかったが・・・)かなりの痛
手であった。
5・6年務め、ようやく戦力になり安心して任せられる。
そんな期待は、木っ端微塵に砕けた。

人生も会社運営も、思い通りにはいかないものだ。

ともあれ、お客様に迷惑がかからないよう次善の策を
考え、動いた。
幸い、まわりに優秀な仲間たちが居り、しっかりと支
えてくれている。

実際、ここ数ヶ月制作チームが手薄な状況で可動して
いる。
不安であったが、思いの外上手く回る。
加えて、(正直に言えば)スタッフを抱えるというリ
スクも軽減した。
フットワークも軽くなり、以外とこのカタチは良いの
かな、とも思えた。

年が明け正月休みに、一年の計に思いを馳せ、じっく
りと、これからのファンサイトの有り様を思案した。
そして、やはり組織としてのカタチを整えたいと思う
ようになった。

なぜなら、ファンサイトという考え方をベースに、企
業と顧客の関係を作っていく我々にとって、啓蒙活動
と営業活動には、当然のことだが、徹頭徹尾ファンサ
イト的な視点で企画し、ファンサイト的な表現でデザ
インするメンバーが必要だ。

この春、6年ぶりに新卒の社員を採用をした。

僕が非常勤講師をしている学校の卒業生である。
授業のなかでファンサイトの話をしたことが、きっか
けで興味を持ってくれた。
僕の採用の基準(学校での成績の優劣なんて、高が知
れている)は、本人がやってみたいと強く思っている
かどうかである。
そして、誘いの声をかけた。

どうなるかは、すべてこれからである。
これは、新入社員への僕からの願いである。

いずれは自分が、その集団のひとりであり、なくては
ならない存在であることに気付いてほしい。
その時、きっと実感する。
そもそも実感は、自然と湧いて出るものではない。
自ら、取りにいくものだ。
チームの一員であると実感を持ったとき、自分の望む
枠組みを考え、自ら行動することが喜びになる。
すべては、自分が選び取るものなのだ。

がんばれ、新人。