第28号『再生』

大量生産による大量消費という近代的生産様式は、自然からの収奪を無限にできるという倒錯に基づいている。
このまま発展し続けるならば、どこかで破綻をきたすことになることは誰の目にもあきらかである。

世界人口の20%に満たない先進諸国に住む人々が、地球資源の83%を消費している。
その一方で毎年1100万人の子供たちが栄養不良で死亡し、13億人の人々が1日1ドル以下の生活費で暮らしている。
こうした状況はむしろ悪化しているといわれる。

一方、日本ではいまだに10年を超える終わらない不況という現状を、「これはいつか終らなければならない」というありもしない幻想のうえで語られ続けている。
右肩上がりの好況が普通のあるべき姿で、不況が特異な一時の姿であるとする考えである。

人はしばしば原因と結果を取り違える。
結果を原因にしたとき「失われた10年」という物語が生まれた。
合理はいつも後ら追いかけ、いつの間にか追い越す。

はっきりと言えば「21世紀はこの不況と呼ばれる現状がこれから始まる日本の前提」なのである。

ぼくたちは、いまそうした選択を決意することができるのかどうかの真っ只中にいる。

これまで「再生」とはどこかで「成長」と同義語として語られてきたが、それは仮死状態にある日本の経済や社会の病理を突き止め、さらなる拡大再生産をしていくことではなく、いかにしたら21世紀における「持続可能な人類の物語を共有する」ことができるのかといういわば地球市民として日本や日本人が自らの誇りと作法を取り戻すための物語を紡ぐことができるのかという「再生」のことなのだ。

なぜなら、「いらないもは買わない」というのは、貧しさではなく知性の問題でもあるからだ。

追伸
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靴のマルトミからワンゾーンへまさしく、いま「再生」への道を歩きだしました。

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