第10回 宣誓

映画鑑賞
映画鑑賞

家族との冬休みを満喫し、帰国の途についたわけですが、
機内で観た映画に心を動かされ、志を新たにしました。

「グレートデイズ!」(THE FINISHERS)。
父と子の絆を描いた物語で、車いすの青年とその父親がアイアイマンレースに参加します。
この映画が、流行ったのか、いつのものなのか、どう評価されているのか、わかりませんが、
僕にとっての映画は、ワインと同じで、単純に自分が美味しければそれでよいのです。
自分の息子たちへの思いも相まって、思い切り堪能しました。

リトルダンサー以来、ヒューマンものは、涙腺が開きっぱなしになるので、
観ないと決めていましたが、機内で寝つけず、つい再生ボタンを押してしまいました。

実は、昨年末に2015年は無理をしないと決めていました。
意味のない無駄走りをやめて、効率をあげて仕事をしようと。
もともと要領の悪い僕は、3歩あるいて、3歩、ときには4歩下がる人生を歩んできているので、
反省して、極力効率をあげ、事前によく吟味し、リスクもなるべく回避して歩もうと。

9年前に無鉄砲に独立したとき、何も武器のなかった僕は、とにかく火中の栗を拾いました。
元日本代表のストライカー中山氏が、とにかく「ゴール前に顔を出す。」と言っていたように。
ときにゴール前でないところにまで頻繁に顔をだしました。
リスクを取り続けた結果、いくつも火傷して、経験と引き換えに大きな損害も被りました。
とり続けたリスクの清算をいまだに続けている現状に決別しよう、これ以上はウンザリと、
だした結論が「無駄走りをやめる」というものでした。

前言撤回。
やはり、命を落とさない程度であれば、リスクテイクして冒険しようと思います。
映画のなかで、障害者は健常者ほどリスクもおかせないという意味のセリフがありました。

日頃、「感謝」という言葉を頻繁に使っています。「お客様に感謝」「先人に感謝」。
はたして、本当に感謝していたでしょうか。言葉だけじゃなかったでしょうか。
巧く経営するためのマジックワードにしていただけではなかったでしょうか。
改めて年初に、五体満足なことに感謝し、そして与えられた時間を走り続けることを誓います。

負を清算していく作業は孤独でつらいものです。
でもその経験があったからこそ、今のビジネスパートナーも得られましたし、
目標をひとつにできる、多くの仲間にも囲まれました。
僕の失敗談を真摯に聞いてくれる後輩たちもいます。
金融機関の看板がなくなっても全くかわらずお付き合いしてくださる先輩方、
何度迷惑をかけてもいまだに手を差し伸べてくれる親友もいます。

年が明けたからといって、やはり変われません。
僕は僕らしく、一所懸命やっていくだけです。愚者は今年も「経験」に学び、歩むのです。

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