この稿をCairns(ケアンズ、オーストラリア)で書いています。
相変わらず周囲の人に恵まれている僕は、今回もクライアントのおかげで、
コアラとカンガルーの国に来ており、この厚遇に感謝しつつ、
強い日差しの中、人生初の気球体験などで興奮の日々を過ごしています。
オーストラリアといえば、2005年からアジアサッカー連盟に加盟し、
サッカー日本代表の好敵手として近年名勝負を演じている国です。
本田選手が終了間際にど真ん中にPKを決め、ブラジル本大会出場を決めた、
ワールドカップのアジア最終予選が印象的ですが、
英語を話す彼ら国民のルックスは、アジア人っぽくなく、誤解を承知でいうならば、
アジア予選やアジアカップでのオーストラリア戦はどこなく違和感があります。
とにかく物価が高い。
初めて訪れるこの国の印象です。ペットボトルの水が250円、コーラが400円…。
地元の方にこの印象を伝えると、賃金水準が比較的高いので意外と高くないとのこと。
なるほどマクドナルドの時給も1,500~1,700円からスタートであれば、
250円のミネラルウォーターも「有り」だな、と妙に納得するのでした。
要するに豊かな国なのでしょう。
人口17万の都市に年間200万人の観光客が訪れるという、
リゾート地ケアンズにいるから、なおさら感じるのかもしれません。
地球を実感できる広大な大地と、どこまでも広がるグリーンの海、
道の脇に群生するマンゴーやアボカドの木を見ると、自然に豊かさを実感します。
それがゆえに、高い物価もインフレ抑制を目的とした高い金利も頷けます。
2%の物価上昇を無理やり達成しようとしている
日銀のパワープレーが間違っているのではないかと感じさせられます。
調べてみると、この国ではGDPのプラス成長が実に23年連続で続いており、
リーマンショック以降も14%拡大しているのです(アメリカは6%)。
もちろん、オーストラリア経済成長の背景には、中国の成長があり、
鉱工業のGDPがGDP全体の平均を上回っていることに鑑みても、
資源国が故の経済成長であることと、
中国を筆頭としたアジア諸国の成長が与える大きな影響を否定はできません。
恵まれた環境を背景とした成長を一概に他国と比べることはできないでしょう。
一方で単に地下資源に頼らずこの国が細かな政策を施している事実も見逃せません。
移民を増やしたり減らしたり、細かく調整する政策をとって、
巧みに人口を増加させ、人口を年率1.7%伸長させているのです。
アジア諸国を訪れても、欧州を訪れても、
北米を訪れても実感しない経済的な感覚を、初めて訪れた大陸で実感しています。
単純に不動産が高かったり安かったり、固定資産や自動車の価格ではなく、
生活必需品の経済的水準が高いとでも言えばよいでしょうか。
チョコレートひとつ買うのを躊躇するレベルなのです。
今後も貿易を主としてアジア諸国と密接な関係にあり続けるであろう国。
アジア予選での彼らとナショナルマッチに違和感を覚えるようでは、
グローバルに活躍することはできないでしょうし、
少子高齢化に歯止めはかからないでしょう。
豊かな資源を背景に細かな政策で持続的成長を続ける国の豊かさを目の当たりにし、
まだまだ、グローバルでない自身の感性を省みるのでした。
それにしても、利益を単に次の投資にむけず、年に2回の社員旅行に転化させて、
20代の若手に海外を体験させる会社の方針には感嘆です。
持続的な成長が期待できる会社に便乗できるしあわせを実感して、
僕の旅も続くのです。
“to be continued”