第60回 Following the leader

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いよいよアメリカの大統領選も終わり、新たなリーダーが誕生します。
本旨から外れたような話題の多かった今回の選挙戦は、
世界の停滞感を示しているようにも感じました。
変化を求めるがために、リーダーに相応しくない人物が候補者として選ばれ、
対立候補にもそれを凌駕するようなリーダーシップがないという構図。
世界的にもリーダー不在の様相は、
価値が多様化しすぎて、ひとつの方向性を失っているという、
全世界的な問題が顕在化した結果なのかもしれません。

そもそもリーダーシップは、練習で修得できるものではなく、
投票で選ばれるような性格のものではありません。
生まれもったものであって、自らの内心に宿るものだと、
世界屈指のリーダーであるディエゴ・シメオネも自ら語っています。
振り返れば、中学1年生のときの僕のクラスの級長は、
小学校の6年間も級長をつとめていたそうで、その後もずっと…。
世界的なバンカーになった今も永遠の学級委員長のオーラを保っています。
なんとなくキャプテンマークの似合ってしまう、
センターバックのようなものなのでしょう。

金融機関に勤めていた経験も含め、
経営者や各方面で活躍されるリーダーの方々とお会いする機会が多くありますが、
一様にリーダーであることを、わきまえていらっしゃいます。
物事に対するアプローチの仕方など細部は各々異なりますが、
グループやチームに方向性をもたらすという点で、彼らは共通しています。
その源は、鉄の意志で、他の誰よりもハードワークすることです。
国籍、年齢や性別にかかわらず、リーダーは、例外なくハードワークするのです。
日本と比べ労働時間が短いと思われている欧州諸国でも、例外なく。
そして決断し、責任をとります。
それが彼らの「役割」だと、わきまえているのです。

トランプ氏は、敗者になった際に、結果を受け入れるかどうか考えるのではなく、
民主主義を尊重し、支持者に語りかけ、国民をまとめるべきです。
それが民主主義国家における大統領選挙敗者の「役割」であるからです。
女性に対して侮蔑的な発言をする、決して上品ではない、
不動産会社の金満経営者に戻るべきでしょう。
それが彼の「役割」であり、彼には相応しく、それが彼の幸せだと僕は思うのです。
間もなく決する民主主義の国のジャッジ。
結果がどうであれ、僕の人生は、
真のリーダーシップから多くを学び、ともにハードワークし、
成功の喜びを共有し、それを継続し歩めるものとしたいものです。

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