第61回 星条旗

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米国大統領選で次期大統領候補にトランプ氏が選ばれ、一週間。
「トランプオン」「トランプオフ」という言葉に代表されるように、
次期大統領のとると思われる政策によって株価が左右されています。
株式市場にパラダイムシフトが訪れているともいえる状況下、
為替も値動きがあり、円で稼ぎドルで消費する傾向にある人々には、
あまり都合のよくない世の中に変化してきています。
まさか彼が当選するとは思ってもいなかったわけですが、
そもそもその考えには、特に根拠もなく、
「あんな人が大統領の国の国民には、誰もなりたくないだろう。」
期待にも似た勝手な推測で、彼の敗者の弁を待っていたのでした、

トランプ氏という人物を直接知るわけでは、もちろんありません。
すべては既存メディアの影響に他ならないのですが、
女性を蔑視し、障害者を嘲り、宗教的な差別を肯定するという、
彼のネガティブな側面のみが伝わってきた、
選挙前の報道だったことは、否定できません。
開票から一夜明け、「家族思い」、「政治経験ないが、豊富な人脈」、
「より国民の声に耳を傾ける」、「変革をもたらす」…。
一転してポジティブな側面ばかり伝えるメディアの節操ない姿勢に、
ただ驚かされるのでした。

この既存メディアを敵視し、ソーシャルメディアを駆使したトランプ氏。
TwitterやFacebookを利用することで、選挙費用の節約にとどまらず、
ケンカ腰なメッセージや暴言で、有権者の注目を集めました。
いわゆる「炎上マーケティング」ともいえるこの類の手法は、
ただ騒ぐだけ騒ぎ、物事の本質を追求しないという点で、
個人的には、嫌悪感をいだかせる手法ですが、
今回、トランプ氏は見事にこの手法で選挙戦を乗り切りました。
話題性と注目度だけが、大きな要因となって、
一国の未来が変えられてしまうこともあり得ることを示した、
米国大統領選であったともいえるのではないでしょうか。

ポピュリズムや保護主義の台頭、グローバリズムの停滞、
変化を求めた有権者、さまざまなことが議論されておりますが、
発達するソーシャルメディアが社会の大きな背景として存在することが、
現代社会を語るうえで重要なのだと、僕は再認識されられました。
これは時代の流れとして受け止めるべき事象といえましょう。
アラブの春、Brexit、ドゥテルテ、そしてトランプ…。
だからこそ、あえて僕は思うのです。
炎上することやバズることが、正しいのでは決してないと。
上辺だけを見聞きしたりせず、もっと本質を見極め、思考すべきだと。。
たなびく星条旗に、先人のどのような思いが込められているか、
スマホを置いて少し考えてみるのも、悪くないのかもしれません。

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