先週、VideoEgg社が米Six Apart社と合併し、新会社のSay Media社を設立しました(リリース)。TechCrunchの記事によるとVideo Egg社がSix Apartを買収したようです。Six ApartのMovable Typeというブログシステムは、古くはニフティのココログをはじめ、日刊サイゾー、ソニー銀行など定番のブログシステムとして利用されており、日本市場での知名度は高いです(このためか、今回の合併で、日本支社の社名は変更しないそうです)。
合併の理由についてリリースには右のように書かれています。「ビデオエッグ社のエンゲージメント技術とシックス・アパート社のソーシャル・パブリッシング・プラットフォームを組み合わせ、さらに対話型で双方向な広告キャンペーンの実施を支援します。(中略)その結果、さらに効果的で、使いやすくソーシャルな広告が誕生します。」
また、今週に入って、マイクロソフト社がWindows LiveとWordPress.comの提携について明らかにしました<!–(ブログ)–>。これは同社が開発するブログ技術のWindows Live Spacesを廃止して、代わりにWordPressを採用するというもの。同社が提供している検索やメール、メッセンジャーを含むWindows Liveのブログ機能がWordpressに置き換えられることになります。CNETはこれを「自社独自のあまり人気の高くないオプションに依存する代わりに、Windows Liveを使用して他の主要なウェブサービスに接続しようとするMicrosoftの最新の動きである。」と報じています。
さらにもうひとつ。今週米AOLはブログメディアのTechCrunchを買収しました(「われわれがTechCrunchをAOLに売った理由。そしてこれから」)。これについては、メディアの変革期の移行シナリオという視点で書かれたTechWave.jpの記事が興味深い。それによると、これから良質なコンテンツを自社で作成するブログメディアが顕在化してくるのだとか。
さて、3つのニュースには明らかな関連はありませんが、すっかりコモディティ化した「ブログ」というものを見直してみる良い機会ではないかと思っています。考えるための種としては、最初のニュースにある「ソーシャル」が、また3つ目のニュースにある「コンテンツの質」などがキーワードになりそうです。マイクロソフトのニュースはどう読みましょうか?ブログシステムの開発は投資効果がないということなのか、旧来の「ブログ」にはもはや魅力がないということか?
流行のツイッタも、初期には「ミニブログ」と呼ばれることがありました。しかし、今ではツイッタはブログとは別の何かになっています。そして、そのすき間を埋めるようなサービスもたくさん登場しています。次々と現れる類似のサービスやコンテンツに、ブログパーツやガジェット類など、あれやこれやに覆われたブラウザの画面を見ながら自問しています。さて「これからのブログ」とは何なのでしょうか?