先週木曜日、東京都現代美術館で開催されていた横尾忠則「原郷から幻境へ、そして現況は?展」を観覧した。
都営大江戸線清澄白河駅で下車。
下町の風情を残す商店街を通り、徒歩10分ほどで美術館に到着した。
入り口にはすでにチケットを求める人が列を成している。
グッズ売り場も人でごった返している。
まさしく、盛況そのものである。
今回の展覧会では、時間制限と人数制限をするというシステムを採用しているからか、会場で人が多すぎて作品が見れないといった弊害を避けることができていた。
それにしても、前回美術館に行ったのがいつだったか思い出せないくらい、久々の展覧会である。
こうした事情も手伝ってワクワクした高揚感をいだきながら、展示会場へ入っていった。
いきなり、横尾の強烈な色使いと構成の作品群が目に飛び込んでくる。
考えるまでもなく、横尾を抜きにして戦後のアート界を語ることはできない。
まさしく、80年におよぶ彼の画業の軌跡を一堂に会した展覧会である。
はじめて横尾作品を見た記憶は、僕が高校生のころ。
雑誌「平凡パンチ」の見開きページに縄で縛らた女が真っ赤な画面に浮び上がっているという、なんとも衝撃的なものだった。
そのシルクスクリーン印刷の作品も、今回展示されていた。
初期のグラフィックデザイナーとしての作品群、その後36歳にしてMOMA(ニューヨーク近代美術館)での個展を成功させた。
そして45歳の時、突然の画家宣言。
それ以後、『滝』や『Y字路』などのシリーズを連作し、多くの作品を残してきた。
こだわりをもつ古い記憶と新たな気づきを描くこと。
まさしく、自我に取り憑かれた人間の創造への飽くなき執着を見せつけられた。
それにしても、おびただしい量の作品数。
まったく異次元の時空間に連れてこられたような気分になり、正直なところ(毒気にあたり)少々食傷気味になった。
おそらく、これだけの規模の展覧会はもうしばらくはないであろう。
熱気を逃れるように、会場を出て清澄白河駅へ。
商店街をぶらぶらしながら、寄り道を楽しむ。
和菓子屋さんで団子を、持ち帰り用の焼き鳥とうなぎを扱っているお店で焼き鳥を、おでんの具材専門店でおでん用の練り物を、昭和24年創業という豆腐屋さんで木綿豆腐を、といった具合に今晩のつまみを仕入れた。
この界隈は、こうした昔ながらのお店がしっかりと残っている。
そして、その間にぽつりぽつりと新しく出来た、オシャレなカフェや、いかにも本好きといった風情のある若者が店番している古書店もある。
古いものの中に新しいものが混ざり合い、街が息づいていく。
いにしえの記憶と、新たな刺激が重なり、今までにないスタイルが生まれる。
変わらないものと変わっていくもの。
「不易を知らざれば基立ちがたく、流行を知らざれば風新たならず」・・・。
そういえば、芭蕉はこの下町界隈から奥の細道へと旅立ったんだ。
横尾作品の毒気が残る頭で、そんなことをぼんやりと思いながら夕暮れ時の商店街を通り、駅へと向かった。
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