第928号『トイレ図書室』

週明け、ようやく緊急事態宣言が全面的に解除になった。

1年近く会っていなかった友人たちとの酒席の会も、幾つか復活した。

友たちとの再会は素直に嬉しい。

こうしたことも含め、自粛ムードだった夜の街も少しづつ活気を取り戻すことになるといいのだが・・・。

ただ正直なところ、以前のように2軒目、3軒目とはしごをする気分にはなれない。

振り返ってみると、昨年の4月ころから自宅でのリモートワークが続いている。

この間、昼も夜もほぼ自宅での食事。

あまりに長いこと外で飲食(2,3の例外はあるが)をしていないことにあらためて気づいた。

僕のほぼ一日のルーチンは、朝5時ごろに起床し22時ごろには就寝する。

この間、自宅で仕事をし、自宅で飯を食い雑用をこなす。

もちろん、お客様との打ち合わせもあるし、来客もあるから日によってそれなりの変化はある。

しかし、こうした日常が当たり前になり、日々のリズムになっている。

そうした中、コロナ以後の生活で幾つか新しい習慣も生まれた。

その1つが、トイレ図書室(勝手に命名した)での読書である。

それまで、朝の通勤列車の中で本を読むことはあったが、トイレで読む習慣はなかった。

そもそも読書はあまり得意ではない。

それでも、電車の移動や喫茶店での待ち時間を利用し、月に2,3冊はなんとなく読んでいた。

しかし、通勤もなくなり、喫茶店も行かなくなり、仕事に関連するもの以外で読書をすることがほとんどなくなった。

仕事場にしている空間で、いきなり読書をするモードに切り替えるほど器用でもない。

さて、なにかいい方法はないかと思案した。

仕事をしているスペース以外で、本を読むのに適した場所はないかと。

思いついたのが、トイレを図書室代わりにすること。

ルールとしては、トイレに持ち込む本を1冊決め、それしか置かない。

これが、意外と読める環境を作っている。

集中できるのだ。

なにしろ、排出すること以外することもなく、まわりに邪魔する要素がない。

トイレを出る時、本に栞をはさむ。

そして、またトイレに入るたびに続きを読む。

こうして読み進めるているうちに、物語が面白くなってくる。

気がつけば、次から次へと読書することが続いている。

最近読んだ中で、面白かったものを1,2冊紹介したい。

・『姫君を喰う話』宇能鴻一郎著 新潮文庫

宇能鴻一郎といえば日活ロマンポルノ時代、彼の原作で白鳥信一監督作品が数本あったことと、タブロイド紙にエロ小説を連載していた小説家という程度の認識だった。

彼の初期の作品を集めたこの短編集を読んで、驚いた。

なんとも躍動感があり、荒々しくみなぎる力がその文体から伝わってくるではないか。

しかも、凄まじいばかりの博覧強記。

見れば、この中の一遍『鯨神』は第四十六回芥川賞受賞作品である。

タイトルにもなっている『姫君を喰う話』も、卓越した展開力、表現力に度肝を抜かれた。

・『くちぶえ番長』重松清 新潮文庫

孫娘が小学4年生になったとき、彼女へのプレゼントために、妻が選んだ本である。

この本は、雑誌『小学四年生』に連載されたものでプレゼントには頃合いがよかったのだろう。

そして、妻自身も読むためもう一冊買い求めており、とても素敵な話しだったと言う。

ふーん、小学生用の小説かと思いながら、僕も手にとった。

そして、読み始め即その清々しい世界に引き込まれた。

さてさて、次にトイレ図書室に持って入る本はどれにしょうかと、ネットや本棚で探し眺めているひと時がなんとも楽しいことは、言うまでも無い。

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