月末月初は、得意先の更新作業やメルマガの配信、そして社員や社外スタッフへの銀行振込の準備などでバタバタする。
さらに、今月は決算書の説明や消費税の納入額の報告など、顧問税理士Hさんとの打ち合わせもあり気忙しい。
昨日、そのHさんとの打ち合わせがあった。
開口一番、「20期目の決算報告書です。そしておめでとうございます!」と言われ、21年度の説明を受けた。
幸い、今期もわずかながら黒字決算となりほっとした。
加えて、Hさんから20年という長きに渡り事業を継続できたことに対し、お褒めの言葉をいただいた。
彼が担当しているなかでも、20年続けられている企業はそれほど多くはないと。
長ければいいというものでもないだろうが、お祝いの言葉に対し素直に嬉しくなった。
事業存続率という指標がある。
さまざまなところから出ているようで、一概に決めつけられないが、中小企業庁のデータを参照すると、平均して1年で約30%、3~5年で40~60%が廃業に追い込まれるという実態が明らかにされている。
つまり、5年前後で生き残れた企業は半分かそれ以下ということになる。
さらに20年以上での存続率となると、10%以下とも言われているようだ。
長きにわたり事業を続けてこれたのは、共に試行錯誤を繰り返しながら制作してくれた社員と仲間、信じて仕事を出してくれた得意先の方々、そして妻の応援があってのことである。
とはいえ僕自身、20年は続けようといった思いが先にあったわけではなく、月日を重ね1年1年必死にやってきただけで、気がついたら20年という時が過ぎていたということだ。
では20年、必死にやってきたことは何か?
それは「企業のファンサイトを構築する」こと。
ファンと企業を結ぶためのサイト作りというワン・イシュー(主義主張)を実現したくてやってきた。
それにしてもよくぞ、たった1つの売り物でやってこれたものだ。
これから日本はますます人口が減り続ける。
2022年4月現在1億2,550万人から、2060年には8,673万人にまで(3,877万人も)減少する。
この統計は確実に来る近未来の現実である。
つまり、人口が減るということは、潜在的な需要が減り、これまでのように価格を下げて量を確保する方法では成り立たない。
薄利多売では立ち行かなくなる。
だから、商品価値を高め、高くてもその価値をわかってくれる人に買ってもらうことが重要になる。
企業にとって自社の商品の価値がわかる人(繰り返し、そして長きに渡り購入してくれ、周囲に口コミまでしてくれる)つまりファンとの関係がもっとも重要になる。
さらに言えば、自社の媒体(ウォンドメディア)でのECサイトに軸足を置くようになってきた。
つまり、ECサイトはモノを売るために、集客をする必要に迫られ、ネット広告でキャンペーンを仕掛けたりSEO対策を施すなど、様々に手立てを講じている。
しかし、その費用対効果は年々落ちているのも事実である。
僕の提案はシンプルである。
具体的には、集客の装置となった自社運営のECサイトの傍らにファンが集って理解を深めるためにファンサイトを置く。
ファンサイトは商品やサービスの内容や理解を深め、より好きになる納得の装置である。
ちなみに、広告は説得の装置だ。
だから、キャンペーンをしたあとの歩留まりも高く、発言力もあるファンが結集する場になる。
ECサイトの傍らにあることで、商品や企業との情報共有もしやすく離脱率も低い。
いい事ずくめである。
この企業とファンとの関係が当たり前になるためには、あとどのくらいの時間が必要なのかわからないが、この姿を見届けるために、ファンサイトをもう少し続けたいと思う。
これが、僕の21期目への決意である。