「つながりマップ」
“マッシュアップ(Mashup)”というのは元は音楽用語ですが、ウェブの世界では複数のサービスを組み合わせて新しいサービスやコンテンツを作ることをいいます。「アイデアとは既存の要素の組み合わせだ」と言ったのは“Webb”さんですが、ウェブのマッシュアップにもアイデアを閃かせるときのような楽しさを感じます。
ウェブサービスを組み合わせるというのは、ウェブサービスが提供するAPI(アプリケーションプログラミングインタフェース)を組み合わせることとです。組み合わせるには、サービスとサービスの継ぎ目になるものが必要な訳で、これをインタフェースと呼んで、アプリケーションをプログラミングするのに必要なインタフェースということで「アプリケーション プログラミング インタフェース」となる訳です。
APIの出来が良ければ、開発者はアプリケーションを書くことに集中できるので、開発効率は良くなります。組み合わせる継ぎ目のことは忘れて、組み合わせて生まれたアイデアに集中できます。
さて、そんなAPIを、ソーシャルネットワークサービス(SNS)用に整備しようというプロジェクトがあります。
SNSとは、たとえばmixiのようなサービスです。これまでは、ウェブサービスがそれぞれ独自にAPIを用意することが一般的でした。SNSの世界ではFacebookがAPIを公開したことで、Facebookのサービスを利用するウェブアプリが一気に増殖し、他のSNSを圧倒するほどになりました。そうした背景から出てきたのがOpenSocial(オープンソーシャル)というプロジェクトです。
OpenSocialは、MySpaceやFriendster、日本ではmixiやgooホーム(gooのSNS)など、多くのサービスが参加しています。特徴的なのは、参加するSNSのAPIを共通化しているところです。もちろん仕様はオープンなので、開発者は知識やノウハウを共有でき、その結果として、効率だけでなく質の向上も期待できます。
mixiでは、「mixi Platform」と呼んで、「mixiアプリ」などへの開発者の参加を熱心に呼び掛けています。SNSというと、会員制の閉じた世界というイメージがありますが、“オープン化”されることで何が開かれることになるのか興味津津です。すでに、数百ものmixi未公認のインディーズアプリがあるという状況もおもしろい。
個人的には、マッシュアップという組み合わせの発想で、サービスを相互に活用するアプリが見てみたいと期待しています。SNSと何かを組み合わせる、またはSNSを組み合わせる、と考えていくと、容易に想像しにくいところへ行ってしまいそうだが、その先には結構楽しいことがありそうな予感もします。
追伸: 昨日(8/24)、mixiアプリが一般に公開となりました。すでにたくさんのアプリが提供を開始されています(提供開始mixiアプリの一覧)。mixiアプリは、mixiにログインして、特設URL(http://platform001.mixi.jp/)にアクセスし、専用コミュニティに参加すると利用できるようになります。(上の画像は、マイミク、コミュニティのつながりをグラフで表示する「つながりマップ」)