新しいBuzzの登場。その違いは?

Buzz

先週リリースされたGoogle Buzzで、Googleは出遅れていたソーシャルネットワーク市場へ乗り込んできました。トラフィックの主流が検索エンジンからソーシャルネットワークへと移っています。たとえば、ユーザーが検索にかける時間よりも、目的先のサイトで過ごす時間が圧倒的に長いということからも、検索の地位が揺らいでいると想像できるでしょう。しかも、検索結果より身近な知り合いの意見の方が重視されるのは周知のとおりです。

Google Buzzとは、平たく言えばTwitterのようなサービスです。Twitterとは機能面では、140文字という文字制限がないことや、写真や動画などが付けられることなどの違いがありますが、最も大きな違いは、Twitterのつぶやきがタイムライン(TimeLine, TL)という話題の流れであるのに対して、Buzzは掲示板などで見るような「スレッド」形式であることでしょう。スレッドとは、あるトピックの下にコメントが連なっていくものです。したがってBuzzの醍醐味は「リアルタイムでコメントチェーンがぶぁーっと膨れ上がる状況を見ること」にあるとも言えます。

しかし、そのBuzzの醍醐味も、興味あるスレッドの存在を知らなければそこに参加できません。タイムラインを眺めておもしろそうなものを拾い上げるというTwitter的なたのしみは、今のところBuzzにはなさそうです。

すでにGoogle Buzzを半年使ったGoogleの共同設立者Sergey Brinによると、Googleはバズのノイズを低減するためにレコメンデーションシステムに取り組んでいるようです。スレッドを発見するための検索をシステムに肩代わりさせようとしているようにも思えますが、それよりも、これはスレッドに集中できる環境を作ることが目的ではないかと思います。やはり、スレッドとタイムラインの違いという点にGoogle BuzzとTwitterの大きな差別がありそうです。

Googleが食い込もうとしているソーシャルネットワークにはFacebookという巨人がいます。ニュースメディアは早々に、Facebookは磐石で、Buzzには新味がないと結論づけています。また、ソーシャルネットワーク市場はすでに成熟しており、スイッチングコストがかかるためにBuzzは苦戦するとも見られています。Sergey Brinは「いろんな計画よりも、Buzzがこれからどう使われていくかが重要だ。」と言っていますが、彼らの実験にユーザーが気前よく付き合ってくれるのかどうか。今のところアーリー・アダプターの反応に好意的なものは少ないように感じます。