秋になってカンファレンスやフォーラムなどのイベントが目白押しです。そんなイベントですっかり定番になっているのが表題の「ライトニングトーク」です。
これはプレゼンの一種で、5分という制限時間があるところに特徴があります。
壇上にタイマーを置いたり、タイムキーパーを立てたりなどして、たとえプレゼンの途中であっても制限時間がくれば打ち切られます。プレゼンされる内容はまじめなものから、「ネタ」と呼ばれるふざけたものまでさまざまですが、聴く側にはそのネタやオチを期待してしまうという気分があり、プレゼンというよりは、エンタテイメントとしての色合いが強いと言えます。
ライトニングトークを主体にしたイベントもあります。3年ほど前から米国内で開催されているIgnite(イグナイト)で、「Igniteスタイル」でプレゼンが行われるのが特徴です。これは5分という制限時間に加えて、スライドの枚数を20枚とし、さらにスライドの表示時間を1枚につき15秒に設定して行うものです。Igniteはおもに各地のバーを会場として、参加者はビールなどを飲みながら行われます。会場の雰囲気はとても気楽な感じなのですが、動画などを見ると(Ignite, YouTube channel)、プレゼンされる内容はまじめなものが多い印象があります。
創造力は制約があるとかえって働くものです。5分という制限のおかげで、工夫が生まれて、ライトニングトークのプレゼンにはいつも何かおもしろいものがあります。それはプレゼンテーターと聴衆の双方にとっておもしろい効果です。今まさに手元で作成中の企画書が思うようにまとまらないとか、今ひとつ魅力に乏しいと感じているなら、5分間でプレゼンできる内容にそれを仕立て直してみると、意外に活路が見出せるかもしれません。
2件のフィードバック
ライトニングトーク。面白いですねー。
ある国内のマジックのコンベンションの一部で、3分コンテストというのが企画されたことがあります。
3分でいったい何ができるんだろうと、おもいきや、意外と長く、しかも自慢のひとネタを持つようなアマチュアでも参加しやすいと、よい事づくめ。
5分間に制限したプレゼンテーション発想法、いいかもしれません。
もうひとつプレゼンのスライドで、思い出した話。
海外のマジックのコンベンションでは、マジックの歴史を研究して発表したりするマジシャンもいます。
こうした講義は、いくら興味深くても、1時間も続くと眠たくなるものです。しかし、あるイギリスの研究家は、プレゼンに面白い工夫を取り入れました。
入ってくるなり、「廊下で別の会合のプレゼンテーターとぶつかって、スライドが混じったかもしれない」と言い出します。
講義の途中で図版を見せるためスライドを映し始めると、いきなり逆さまになっていたりします。これは伏線にすぎません。
発表は中程まで進みます。聴衆がいよいよ眠くなってきた頃、スライドにいきなり、まったく関係のない水着美女の写真が現れます。
「あ、これはぶつかった時に混じったんだ」とプレゼンテーターはいいます。
これから、たびたび興味深い関係のないスライドが現れますが、そのたび会場は爆笑。
最後まで聴衆は、スライドを期待して眠れなくなってしまったのでした。
とても印象深いプレゼンテーションでしたが、いまはパワーポイントの時代になってしまったので、このテクニックは使えなくなってしまいました。
興味深いコメントありがとうございます。業種・業界ごとに特色があるんですね。
プレゼンは、専門家や業界の内側で行われることが多いためか、こうした特色が外側へ出ることは少ないような気がします。
IT業界では、プレゼンの工夫ネタはまだまだありますよ。有名なところでは「高橋メソッド」や、それに触発された「もんたメソッド」など。また、プレゼンツールも、PPTだけでなく、HTMLやJavaScritpを使ったものなどなど、おもしろいものが結構あります。
プレゼンの手法やツールを集めて「プレゼンHacks」なんていうのをまとめるとおもしろいかもしれませんね。