最近、外食がともかく美味しくないと感じることが多い。
塩辛く、甘すぎる。
その上、量も少ない。
そして、その場が楽しくない。
「こだわって」いるのは、メニューのレイアウトと料金設定だけではないかと思えてしまう。
その、代表格ともいえるマクドナルドが日本に上陸したのが1971年。
東京、銀座に1号店をオープンした。
そして、11年後の82年には、外食産業での売り上げトップに躍り出た。
90年、山形県にオープンし、日本での全県展開が完了した。
現在およそ3770店舗、3959億円の売り上げ規模を誇る。
因に、競合するファーストフード各社の売り上げを比較してみる。
ケンタッキーフライドチキンが736億円、モスフード593億円、ファーストキッチン117億円。
いかにそれが巨大であるかがわかる。
まぎれもなく、外食の王者である。
ファーストフードは文字通り、手早くそれなりの食事をてごろな値段で食べられる。
それが売りである。
作業行程を合理化し、極限までに突き詰め、成功の方程式を完成させたのがマクドナルドである。
そして、企業理念にこの全てが盛り込まれている。
以下要約する。
・どこでも同じおいしさを維持する品質(Quality)
・ マクドナルドに行けば何かしらの楽しさを得られるサービス(Service)
・トイレも調理場もずみずみまで行き届いた清潔さ(Cleanliness)
・品質、サービス、清潔さが醸成してできる価値の達成(Value)
日本の成長期とも重なり、そのライフスタイルを良しとし、こぞって受け入れた。
かくして、ファーストフード各社はマクドナルドの後を追った。
追い越せないまでも、追随するだけでも利益が上がった。
そのマクドナルドがいま苦戦を強いられているという。
人心を刷新し、様々なキャンペーンを施行するも、どうにも案配がよくないと聞く。
成功した方程式を変える必要がどこにあるか。
そう思っている人に成功の限界が近いことを教えるのは難しい。
まして、現場で与えられたマニュアルを実直に執り行っいる人にとっては尚更である。
イオン(ジャスコ)の岡田名誉会長と日本マクドナルドの創業者、故藤田田氏との対談に立ち会ったことがある。
「僕はワクワクしてドキドキする場を日本人に提供したいんだ。」と。
藤田氏の強烈な話しっぷりが記憶に残っている。
かつて藤田氏が考えていた思いはほぼ達成した。
しかし達成されれば、もはやそれは目標ではない。
そして、いまや陳腐な場となりつつある。
新たなワクワクとドキドキを提供することができるのか?
「FUN PLACE TO GO」
マクドナルドだけではなく、いま多くの企業が抱えているテーマでもある。