ここ数年、企業がいかにして自社のファンサイトを構築するべきかを提案してきた。
その結果、つくることばかりに目を奪われていた。
構築の有り様が分れば、成り立ちがわかるはずだ。
だから、これまでの方法に加え、気になるサイトを分析し、そこに盛り込まれている機能とコンテンツをつぶさに吟味し参考にする。
さらに、最新のツールをいかに活用するかを考える。
こうして、企業によって多少の差異はあるものの、ファンサイトとして搭載する仕組みや、コンテンツを作ることが可能になり、ある程度の標準化を確保することが出来るようになった。
しかし、つくることより壊すことのほうがずっと大切だということに気が付いた。
最近、なんとなく制作の流れがマンネリ化しているように思えたからだ。
壊さなければ新しいものはつくれない。
留まることや溜めることは、停止あるいは後退と同義である。
止まることなく、排除し続けながら更新する。
そして、その流れを維持すること。
そのためには、いまさらながらではあるが、web2.0とは何かと、再考することもその1つであった。
web2.0の意味を自分なりに捉え直してみた。
一言でいえば、ユーザー側に立つこと。
ユーザーが欲しいコンテンツを用意すること、しかも徹底的に、そして具体的に。
例えば、業態の違う企業A社、B社、C社があるキーワードでコンテンツを共同開発できるのではないか。
つまり、企業間の壁を乗り越えた試みができれば「各企業が自社に顧客を囲い込む」といったありもしない妄想に至らず、ファンサイトの新たな姿を提案する糸口が見つかるのではないか。
そのためには絶えず、考え続けるしか方法はない。
「チャンスは準備している者にのみ降り立つ」ことを信じて。