第338号『時流適応』

【土砂降りの雨の朝、橋を渡る】
【土砂降りの雨の朝、橋を渡る】

我々は、その時々の流れに適応することでしか、生き延びることができない。
これは定理であり、しかるに普遍である。

かつて、地球上には20種類ほどの人類が住んでいた。
しかし、いま存在しているのは、我々、現人類ホモサピエンスのみである。
では、なぜ我々が生き残り、他の人類が滅びたのか。
現人類のクロマニヨン人と、およそ二万五千年前に絶滅したネアンデルタール人を比べてみると、その秘密がみえてくる。

従来の研究では、言葉の獲得の差とされてきたが、どうやら「道具の技術革新の差ではないか」ということが最新の研究で分ってきた。

調査によれば、ネアンデルタール人は肉しか食べていない。
その証左として、化石に残った窒素を調べることで、何を食べていたかが分る。
彼らは槍や斧で狩りをし、マンモスなど大型の哺乳類を食べていた。
そして、その槍や斧には、新しく道具を開発した形跡はなく、20万年近く同じ形状だった。
一方、クロマニヨン人はほぼ、一万年おきに狩猟道具の改良がおこなわれていた。
刻む、削るといった目的に応じた道具を開発している。
この結果、小型の哺乳類や魚介類などを新たに食料にすることができた。

二万五千年前、最終氷河期の最寒冷期、食料となる大型哺乳類が激減した。
そして、ネアンデルタール人は絶滅し、我々は生き延びた。

お知らせです。
私たちの道具も改良しました。
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