第385号『日記の効用』

【日記帳】
【日記帳】

かれこれ、日記を付けはじめて10年になる。
今年も、ほぼ中盤にさしかかり、これまでの日々を読み返してみた。

例えば、数日前の日記(一部)でこんなことを書いた。
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6月15日 火曜日 晴れ 6時起床

午前、日本工学院にてマーケティングの講義。
事例として「AKIBA 48」をとりあげてみた。

それにしても、「AKIBA 48」を使って仕掛けた総選挙という方法は、聴けばシンプルだが巧みである。
要するに、百数名いるメンバーの選抜や、舞台での立ち位置を決めるためのランキング投票なのだ。

投票の権利を有するためには、新曲CDを買うこと。
CD1枚購入につき、1投票権が付いている。
だから、贔屓の子を上位にするために熱狂的なファンはCDを何枚も買う。
なかには、一人で500枚も購入する者もいるという。
仕掛人である秋元康は、これがビジネスモデルだと言っている。
かつて、売春行為を援助交際と言い換えていたのに、ニュアンスが似ていなくもない。
だが、たしかにこれもモノを売る仕組みには違いない。
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いま、自分にとって何が好きなのか、どんなことが許せないのか。
日記を付けるという事は、「自分のことが、どのくらいわかっているか」という自己確認でもある。
一日や二日では見えにくく、わかりにくいことも、日々積み重ねた言葉から透けて見えてくるものがある。

そして、一方で危険信号のようなものも浮かび上がる。
これは修正しなければ、この先、生きていけなくなる、というようなことも判る。
では、どうやって修正するのか、その答えも日記のなかから生まれてくることが多い。

好き嫌いの感覚を研ぎすまし、自分を律するためにも書き続けたい。

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