映画が大好きだ。
なにしろ、最初に就職した先が「ロマンポルノ」真っ盛りだった頃の日活撮影所。
ただ、この時代の映画業界は斜陽産業の真っただ中で、ほろ苦い思い出でもある。
ともあれ、いまも劇場へ出かけたり、レンタルしたDVDで新旧の映画を観て楽しんでいる。
観賞後、作品ごとに監督や俳優などのデータと、簡単な感想をノートに備忘録的にとりまとめている。
こうして気が付くと、年に70〜80作品ほど観ている。
これから、映画賞レースも盛んになるこの時期、新旧取り混ぜ、今年観た映画のベストテンを選んでみた。
1. 「告白」 中島哲也監督
全てにおいて想像以上。
10年後、新しい日本映画の流れを切り開いた作品として、語り継がれるのではないか。
2.「悪人」 李相日監督
映画作法の王道をしっかりと歩んでいる作品、今年最高傑作の1つ。
3.「フローズンリバー」 コートニー・ハント監督
凄い、サンダンス映画祭で高い評価を得ただけのことはある。
新人監督の作品とは思えないしっかりとした構成。
4.「母なる証明」 ボン・ジュノ監督
細部にいたるまで神経が行き届いている作品。
いま、世界で最も優れた監督の作品である。
5.「ファーゴ」 ジョエル・コーエン監督
いつ観ても、傑作であることを証明してくれる作品。
その度合いは以前より増している。
6.「Love Letter」 岩井俊二監督
ひさびさに観た、なんと瑞々しいのだろう。
岩井作品のなかでこれが最高ではなか。
7.「チェーサー」 ナ・ホンジン監督
圧倒的なパワー。
ぐいぐいと映画的な世界に引きずり込まれた。
8.「あの日欲望の大地で」 ギレルモ ・アリアガ監督
アレハンドロ・ゴンザレス監督「バベル」「21グラム」のシナリオを手掛けているギレルモ ・アリアガ。
この作品もまた、本(脚本)が秀悦。
9.「扉をたたく人」 トーマス・マッカシー監督
内容も、主人公も地味であるが、キラリと光る秀作である。
10.「マチューテ」 ロバート・ロドリゲス監督
タランテーノの盟友、ロバート・ロドリゲスによる荒唐無稽なB級映画地立てのA級傑作。
これから楽しみな監督の一人。
今年、国内での受賞レースは「告白」と「悪人」のどちらかと予想している。
おそらく、「悪人」が作品賞を数多く獲得することになるのではないか。
これまでの日本映画の受賞レースの流れをみれば、「悪人」が評価され受賞するのは順当だと思う。
しかし、10年後、振り返ってみた時に最高作として残るのは「告白」ではないか。
それは、スタンリー・キューブリック監督の「2001年宇宙の旅」やリドリー・スコット監督の「ブレードランナー」がそうだったように、これまでなかった文脈をこの映画が切り開いていたからだ。
2010年、「告白」の出現はそれほどに衝撃的であった。
2件のフィードバック
初コメントさせていただきます。
「告白」は衝撃的な映画でしたよね。
中島作品は大好きで全作品観てますが、いい意味で期待を
裏切る作り方で、私も今年観た映画の中で一番です。
観てから原作を読みましたが、うまい作り方だったと思いました。
悪人は、賛否両論だったので、まだ観ていませんが
DVDになったらぜひ観たいですね。
邦画では、「今度は愛妻家」も、とても心に染みた映画でした。
紹介された映画、タイトル控えて、ゲオに走りたいと思います。
湯みりんさん、コメントありがとうございます。
湯みりんさんも「告白」がやはり、今年一番印象に残った映画でしたか。
ともあれ、映画の話しで盛り上がるのは最高に楽しいですね。
他の映画も是非、ご覧下さい。