第428号『約束するということ』

【実の詰まったブレッド】
【実の詰まったブレッド】

ある日、知人から封書が送られてきた。
開けると、DVDが一枚入っていた。
「辺見庸講演集」と手書きのタイトル。
そう言えば、以前、酒宴で辺見庸の話しで盛り上がり、このDVDを送ってくれると、話してくれたことを思い出した。
あの酒宴の席で話したことを覚えていてくれたことに、ジワリと嬉しさが込み上げてきた。
忘れていた。
自分でも忘れていたほどの、小さな約束を守ってくれたことに。
そして、知人U氏の存在は、僕の中で前にも増して信頼できる人となった。

そもそも、人はなぜ約束するのか?
それは、他者に自分を好きになってもらい、信じてもらいたいから約束するのだ。

約束を守るということは、ブランドを確立するための最も重要な方法である。

少し、前のことだが思い出して欲しい。
高級料亭「吉兆」も、乳製品のトップだった「雪印」も、トラックの「三菱ふそう」もみんな、自らがお客様と約束したこと(例えば製品管理、安全とか安心という)を破った。
そして、最近では東電も。
結果、営々と築き上げた自分たちのブランドが失墜し崩壊した。

大きな約束を守るのは、もちろん難しい。
しかし、小さな約束を果たすのはもっと難しい。
仮に、うっかり忘れてしまったとしても、あまり困らない。
だからこそ、小さな約束を忘れないようにしたいと思う。

今度、この本を貸すね。
今度、あの居酒屋へ行こうね。
今度、●●しようね。

社交辞令ではなく、心を込めて、小さな約束を果たすことで、自分と相手の絆に強い信頼が生まれる。
そして、その積み重ねが、自分ブランドを作ることになるのだ。

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