第504号『コトバを余白に込めて』

【名前は 川村はる】
【名前は 川村はる】

先週の金曜日、孫娘が生まれた。
翌日、生後1日目の彼女に会った。
その小さな生命に触れ、様々な偶然と必然が紡ぎ合い、不思議の末に出会えたことに
感謝した。

そして、改めて感じたことがある。
世のなかには、自分の力で解決できる問題と同じくらい、あるいはそれ以上に、ただ
事の成り行きを見守るしか方法がないことがある、と。
命を授かることも、血縁や地縁で結ばれることも。

「言おうと思ったが、結局、言わずにおいたコトバ」と、「未整理のまま持ち越してい
ること」がたくさんある。
「言ったこと」や、「やったこと」以上に「やらなかったこと」や「言わなかったこと」
のほうが圧倒的に多い。
でも、こうしたことが、人生を切実で愛おしいものにしているのだ。

結論が出ない。
手をこまねく。
問題解決に結びつかない。
あるいは、そもそも問題解決しようがない。
じいちゃんという自分の立ち位置を、どう受け入れたらいいのかと戸惑い続けながら。

コトバにならないコトバを余白に込めて、陳腐な言葉だけれども祝いたい。
「・・・誕生おめでとう、はる・・・」

2件のフィードバック

  1. ご無沙汰です。湘南スタイル藁品です。メール配信ありがとうございます。
    当方も昨年11月8日に3人目の男の子の孫が誕生しました。

    同感です。
    なにも言わない、言っていない、表現しない自分が、

    川村さんの表現に感動!
    今後もよろしくお願い致します。

  2. 藁品様。ご無沙汰しております。ご高覧ありがとうございます。メールいただき嬉しいです。最近、友人から教えてもらったのですが「以不解解之」と言う言葉を知りました。
    「解するをせずを以て之を解す」こうした事柄の中に、本質があることを実感すること、しきりです。今後とも引き続きよろしくお願いします。

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