第816号『貯筋』

【筋トレ用ギア】

ここ3ヶ月ほど、ほぼ毎朝2~30分間、筋トレとス
トレッチを組み合わせた(「ストレングス」とい
うムキムキマッチョになるのではない)運動を続
けている。

これほど、長く続くことはこれまでなかった。
なにしろ、本格的にやると90分から2時間ほどか
かる。
さらに、苦痛も伴うので気持ちが乗らないとやら
ない日が多くなる。
こうして、気がつけば、初心の思いが続かず、い
つの間にか辞めてしまうという流れだった。

今回、続けるためにある策を試みている。

面倒で飽きやすいものは、習慣的な動作(歯磨き
や、掃除をするといった)として日常生活の中に
組み込む。
さらに、朝の忙しい時、そんなにゆったりできな
いので、2つか3つの少ない組み合わで、毎回鍛
錬する部位変えて行う。

例えば、月曜日はローラーという道具を使い、腹
筋運動をし、その後スクワットを組み合わせる。
火曜日はクランチという、背筋と腹筋の運動をし、
次にダンベルの上げ下ろしで腕・肩筋を鍛える、
といった按配にだ。
これなら無理せず、しかも短時間に実行すること
ができる。

目的は、トライアスロンをこれからも続けたいた
めにやっていることではあるが、指導していただ
いている横浜トライアスロン研究所の滝川コーチ
から、一生動ける身体を維持するには、最高の方
法だとも教授された。

ところで、誰もが逃れられない「人生ラスト10年
問題」というのがあることをご存知だろうか。
これは、僕と同世代のトライアスロン仲間から聴
いた話のうけうりである。

GDM(Gross Domestic Muscle:国民総筋肉量)。
国内総生産量、GDP(Gross Domestic Product)
になぞらえた言葉だそうだ。

それでは人生終焉のその日までの10年間に、どん
な問題が起きるのか?

まず歩けなくなり、次に食べられなくなる。
そして認知できなくなる、という順番に衰える。
 
では、この流れを食い止めるために有効なことと
はなにか?
その答えは、筋肉量を減らさないことなのだ。

筋肉量が多ければ、歩けなくなることが防げる。
さらに、骨を動かす筋肉である骨格筋を維持する
ことで(食べたり飲んだりする)舌の筋肉を支え
る。
歩き続けることが、食べ続けることにつながり、
さらに認知症の予防にもつながるという。

「ラスト10年問題」に直面している高齢者の介護
保険費と、後期高齢者の筋肉の減少量から、筋肉
が100グラム減ると介護保険費がいくらかかるかを
試算したものがある。
75歳男性で100グラムの筋肉は約16.5万円に相当
し、75歳女性では約21.4万円になるという。
人形町今半の超高級和牛肉でも、ここまで高くは
ない。

あらためて、思う。
人生の後半戦、なにをもってリッチ(豊か)とい
うのかを自問自答した。
そして、あえて順番をつけてみた。

1.健康リッチ
2.時間リッチ
3.友人リッチ
4.お金リッチ
4番目は多少負け惜しみ的な要素も入っているが、
概ねこんな結果になった。

さて、これからも貯金ならぬ貯筋に励み、1回でも
多くトライアスロンを完走できる身体を維持したい。