2024年辰年。新春早々、辛く悲しい出来事が重なる。そして僕は、6度目の歳男を迎えた。先週、横浜で一番古いお寺、弘明寺に参拝した。みくじを引くも「凶」。幸先がすこぶる悪い。こんなとき僕は、「吉」以上を引き当てるまでみくじを引く。運や気は与えられるだけのものではなく、自ら掴み取りにく派である。この日は、運よく2回目で「吉」を引き当てることができた。
初詣でのお寺も、送られてきた年賀状にも、TVや雑誌を見ても、いたるところに「龍」がいる。この「龍」は、十二支の中で唯一、現実世界に存在しない生き物である。「龍」は、目には見えない無形のものであり、想像上の存在なのだ。
占い事に詳しい知人に教えていただいたことである。曰く、昨年、これまでの”土の時代”から”風の時代”に変わったという。簡単に言えば、”土の時代”とは、お金や物や地位など、「目に見える形で豊かさを追う」時代だが、”風の時代”は「自由や平等、情報や知性や精神性」といった、まさしく風のように目に見えない価値を大切に想う時代だという。昨年から始まり、今年はより一層本格的に強まるのが”風の時代”。この”風の時代”には、物事が大きく動き変化する時代でもあるという。風という、形の無い「龍」のエネルギーが舞う辰年。この「無形のエネルギー」が強まるのだ、と。
ここからは、僕からの新年のメッセージであり宣言である。これまでを振り返れば、目に見える成果や結果、わかりやすい成長曲線を描けるかどうか、とにかく行動して結果を形にしていく。といった、有形のものこそが重要視されてきた。その一方で、実態がつかめない無形のものは、およそ価値がないものとして扱われてきた。しかし今年を起点に、今後数十年(ある説では200年)に渡りこの流れが大きく変わっていくのではないか。
もちろん、これまで同様に有形の価値がなくなるわけではないが、優先する順序やバランスが変わってくるのではないか。特に、ビジネスの世界ではその変化が大きくなるのではないか。例えば、お金や待遇といった要素だけではなく、働く上での心理的安心や安全も大切だし、どんな商品やサービスなのかも大事だが、なぜ自分はその商品やサービスを選んだのか、という理由がもっと大事な決め手になってくる。
事実、お取引させていただいている企業でも、これまでのように、結果ばかりを追い求めるのではなく、もっとその前にある見えない想いや所作が大事だということに気付き始め、こうした考えを取り入れるところが増えてきている。
言うまでもなく、世界は無形のもので形作られている。そもそもカタチあるものが生まれる前に、・感情・体感・直感・思考・信念・熱意がある。ファンに寄り添い、企業とファンの関係という無形のものではあるが、確かに繋がっているという、このエネルギーを生み出す「ファンサイト」作りに向け、さらに邁進したい。
今年もよろしくお願いします。
企業を支えるのはファンだから
ファンサイト有限会社代表 川村隆一