いよいよ今週の日曜日、第14回World Triathlon Championship Series YOKOHAMA「世界トライアスロンシリーズ(WTCS)横浜大会」である。僕は第5回大会から毎回参戦しているので、今回で10回目となる。この大会は、山下公園、レンガ倉庫、本牧ふ頭など、横浜らしい景観を楽しみ、多くの人からの応援を受けながら走ることができる、都市型のレースとしては国内屈指の規模と質を有したものである。
昨年は、正月にアキレス腱断裂での手術後、万全とは言い難い状態での参戦となり、制限時間ぎりぎりでのゴールであった。あれから1年。上下に切れたアキレス腱を縫い、つなぎ合わせたが、痺れや引きつりなどの後遺症が残った。その結果、以前のようにスムーズに力を出すことができないが、それでも足はなんとか動く。ならば、やっぱりレースに出たい。その想いが、不安やリスクを上回った。だから、秋から冬、そして春とコツコツとトレーニングを続けてきた。
トライアスロンは、ともかく用意しなければならない道具が多い。例えばスイムパート:・スイムキャップ・ゴーグル・ウエットスーツ。バイクパート:・バイク・バイクシューズ・ヘルメット・距離速度計測メーター・サングラス・ウォーターボトル。ランパート:・ランシューズ・ラン用キャップ。この他にもタオルや着替えも必要になる。
こうしたスイム・バイク・ランの道具を、それぞれの場面を想定しながら揃え準備する。例えば、スイムでゴーグルを忘れたら海水での水泳はかなり困難になる。例えば、バイクのメーターの電池が切れたら距離の計測ができなくなる。だから、レース前に電池の交換を事前にしておく。例えばランキャップを忘れたら、25度を超える夏日では直射日光をもろに受け、熱中症のリスクが高まる。こうして、考えうるリスクを予測し、それを回避するための手立てをする。もちろん、当日の行動を想定して、数日前から予行演習のようなこともする。ちなみに、自転車はレース前日に預託することができるので、前日会場に自走して持ち込む。
さて、レース当日のスケジュールである。
5時00分:起床
5時30分:顔を洗う、着替え、お茶を飲む
6時30分:ストレッチ、体操、アップ(予め心拍数を上げておく)のためのラン
7時00分:バナナと牛乳を摂る
7時20分:トイレを済ませる
7時45分:自宅から出発
7時54分:シーサイドライン並木中央駅から出発
8時21分:JR石川町駅到着
8時45分:山下公園レース会場到着
9時00分:受付
9時40分:バイクトランジションエリアでセッティングと軽食(おにぎり)を摂る
10時10分:荷物預け入れ
10時35分:スイムチェックイン
11時00分:試泳
11時12分:スイムスタート
スタートの号砲が鳴り、それまでのなんとも息苦しいほどにせわしない事柄や時間から解き放たれ、ゆったりと確信をもってゴールへ向かって動き出す。
余裕のないタイトな状態であるが、こうした事柄の一つ一つを乗り越えていくこと(ともすれば、競技の過酷さばかりに目が向けられることが多いが)も、トライアスロンの魅力であり醍醐味である。
配布されたスイムキャップには、大会に参戦した選手へのメッセージが記されている。“Be your extraordinary” と。