日本では、バスケットボールはマイナーなスポーツだと、決め付けられている。
しかし、実態を知れば知るほど、じつはマーケットとして、手付かずの宝の山であることに気付く。
競技者人口600万人。
サッカーの700万人に次ぐ数である。
8月10日、朝刊。
それを裏付けるような新聞広告が出た。
朝日、読売、毎日、日経、サンケイ、東京各紙一斉の全面広告に「一億冊ありがとう」のメッセージが飾られた。
バスケットボールをテーマにした漫画、井上雄彦氏の「SLAM DUNK」が一億冊発売を記念してのメッセージである。
一億冊である。
「SLAM DUNK」24巻を読む。
熱がある。
涙がある。
そして、愛がある。
なるほど、1億冊売れたことを納得した。
そして、それを支えるバスケットボールファンの多さにも改めて驚いた。
流動し、変化するとろにエネルギーが生まれる。
いまスポーツビジネスに係わることは変化することをいかに作り出せるかである。
日本で初めてのプロバスケットボール、bjリーグに事業として参加することを決めた。(チーム名は大分ヒートデビルズ。)
NBAを観戦したことはあるが、日本の学生のゲームも実業団のゲームもこれまで観たことがなかった。
関東学生リーグ、実業団スーパーリーグ等など、夏から秋にかけて幾つかのゲームを観戦した。
9月22日、韓国プロリーグ(KBL)に所属するLGセイカースと日本の実業団リーグ(JBL)に所属する日立サンロッカーズとの練習試合を観た。
場所は人形町にある中央区総合体育館。
観客6名。
練習試合ではある、が、痩せても枯れても日韓トップリーグにいるチームの試合である。
あまりの精彩のなさに唖然とした。
試合が始まる。
ここまで数試合を観戦し、少しは見方も慣れてきた。
第1クォーターは互角。
第2クォーターにはいり、その違いが徐々に見えてくる。
当たりの強さ、ルーズボールに対する粘り強さ、どれをとっても違う。
練習試合といえども、韓国の選手は皆プロ。
来年度の契約更新が係っている。
方や日本の選手はいわば企業に雇用された社員である。
弱点を証明する材料には事欠かない。
しかし、日本人選手にもっとも欠けているのは体力でも、
テクニックでもない。
足りないのは気迫。
ゲーム内容も、選手個々人の意識も、会場の雰囲気も、これまでバスケットボールの世界では、それが当たり前、と思われてきたことを全て変えればいい。
よそ者だからこそ、見えてくるものがある。
周辺部にいるからこそ、自分の文化と他者のそれとの違いが浮き上がって見えてくる。
「山にあるものは山を見ず、山の真の均整は遠方からのみ見ることができる。自分自身の国についてもそうである。ひとはその中に住んでいる間は、それを本当に知らない。」
内村鑑三のことばである。
夢とビジネスは矛盾しない。
問われているのはマーケットに夢と熱があるかどうかだ。
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