問題:次の文章のうち企業がウェブサイトをはじめるにあたり適切な理由と思われるものに○を、不適切と思われるものに×をつけください。
( )マス広告の費用対効果があがらず、その対応策として。
( )従来の新規顧客の開拓方法では手間も費用もかかりすぎる。
( )お客様参加型の施策でなければ、売りにはつながらない。
( )ウェブサイトを持っていなと企業としての信用にかかわる。
答えはすべて○です。
気づかれた方も多いのではないかと思いますが、この問題のポイントは、これまで、企業が一方的にお客様に発してきたコミュニケーションの限界点を示しています。
こうした現状を打破するためウェブサイトを導入したにも関わらず、実際のところ満足のいく結果とはほど遠い存在になっています。結局のところ、ウェブサイトは、単に自社のメディアのチャネルを一つ増やしただけにすぎず、経営者や担当者にとっては思った以上にお荷物となり、その効果を享受できないまま閉塞状況に陥っているのではないでしょうか。
その結果、多くの企業ウェブサイトは既存の会社案内や業務内容パンフレットをウェブサイトに載せ変えただけでお茶を濁しているのが現状です。
その一方で、より先進的な手法としてデータマイニング*-1やCRM*-2など顧客ニーズの分析や消費行動などを分析するマーケティング的な手法も導入されてはいますが、ともすれば機能面や技術面ばかり強調され、実態としての効果がいま一つ伝わってきていないように思われます。
考えてみれば大半の企業ウェブサイトがインターネット上に登場して、まだ10年足らず。
いま私は、インターネット上で企業がウェブサイトを運営していくうえで、従来の会社案内や商品サービス情報の他に「ファンサイト」を持つことは、新たなお客様層との関係を作り出し、企業が提供する商品やサービスの価値の発見をもたらす必要不可欠な「装置」になると実感し、提唱しています。
企業にとってウェブサイトを効果的に使うにはどんな方法があるのか?
まだまだ始まったばかりのテーマです。
「ファンサイト」と聞くと普通、タレントやスポーツのファンによるサイトとの印象を持つのではないでしょうか。
実際、試しにYahoo!やGoogleで「ファンサイト」とワードを入力し、検索してみるとゲームや趣味の同好会的なサイト、あるいは芸能人、スポーツ選手などの公式ファンサイト、コミュニティサイト、ブログといったファンが私的または公認で作るサイトがそのほとんどを占めています。
例えばモーニング娘や阪神タイガースの熱狂的なファンの集まりやダビスタなどの同好会に帰属し、そのスターやチームやキャラクターと同化し、一体感を持つことによって成立することがファンサイトの一般的な捉え方だと思います。
「企業ファンサイト」も出会い系サイトやオークションサイトなどのコミュニティサイトの1つのジャンルだと考えています。
しかし、私が提唱する企業ウェブサイトの「ファンサイト」はタレントやスポーツのファンサイトとは、大きな違いがあります。
次号に続く
【データマイニング*-1】
データの中に潜んでいる様々な水準の情報を目的に応じて整理統合することを目的とした大規模データに対応可能なデータ処理技術。
【CRM*-2】
Customer Relationship Management (シーアールエム)
情報システムを応用して企業が顧客と長期的な関係を築く手法のこと。詳細な顧客データベースを元に、商品の売買から保守サービス、問い合わせやクレームへの対応など、個々の顧客とのすべてのやり取りを一貫して管理することにより実現する。顧客のニーズにきめ細かく対応することで、顧客の利便性と満足度を高め、顧客を常連客として囲い込んで収益率の極大化をはかることを目的としている。
(IT用語辞典 e-Wordsより)