多くの仕事を共にしてきた、カマタスエコさんが2月28日、クモ膜下出血で亡くなられた。
エッセイから写真まで、幅広い守備範囲を持つ家庭料理研究家。
旅と、なぜかきのこが大好きな主婦。
住まいは、地方都市。
毎朝5時には全快でお仕事をされていた。
僕とのメール&電話会議も、ほぼこの時間だった。
2000年、2月「電脳カマタ食堂」を初めて拝見した。
企業サイトのコンテンツとして、何か良いものがないかと探していた時、知人の紹介でカマタさんのサイトを知った。
文章も、写真も、お料理もじつに、丁寧にそして、なによりも大好きなんだ!というパワーで溢れていた。
トキメキを感じた。
それは、ウェブというこれまでの既存メディアではないところから市井の人間がひとりで立ち上がり、回りに影響を与えるものが提案出来るのではないか。
つまり、アマチュアとプロの垣根が消えるのではないか。
そんな予感をもった。
いまや、ブログで、あるいはSNSで、誰もがごくごく当たり前に発言し、そして、その発言の力は日増しに影響力を持つに至っている。
カマタスエコさんはその魁けの人だった。
さらに、彼女のサイト「電脳カマタ食堂」は昨年、信濃毎日新聞社主催の「信毎ホームページ大賞2006」で部門優秀賞を獲得。
この受賞の持つ意味は、市井の人間の生き方そのものが、これからのネット社会に生き、発言することで何かが変わる。
そんな方向性を指し示してくれたのではないかと思えた。
思い起こせば、キリンシーグラム社ウイスキー・ボストンクラブのファンサイト「極楽クラブ」から始まり、靴の大手流通業ワンゾーン社のサイト、そして今年の1月開始のキリンヤクルトネクステージ社の健康食品サイト「元気な畑」などなど、実に多くの仕事を共に立ち上げ、戦いつづけた戦友であった。
どんなに忙しい時でも笑顔を絶やさず、気がつけば、回りの人たちが元気になっている。
そんな不思議な力を持っていた。
本当に大事な人を失った。
その実感は日増しに強くなる。
そして、いまは、ご冥福を祈るばかりである。
合掌。