第239号『スタイルの確立』

【橋】
【橋】

去年から今年にかけて、ファンサイトという小さな会社に何人かのメンバーが加わった。
この仕事にもともと従事していた者から、ここが初めてという者まで様々な経歴である。
当然のことであるが経験者も未経験者も、制作も営業も一様に、成果が求められる。
そして、各々が年間の達成目標を持つようにした。
達成目標は個人の評価にも繋がる。
それが、自己の成長と仕事のスタイルとの確立に重なればさらに良い。
しかし、それぞれが己のスタイルを確立するのは容易なことではない。

制作は極めてハードな技術の習得とデザイン的な到達を要求される。
営業は論理的でかつ熱のあるプレゼンと、その売上と収益の数字で評価される。
だから、1つ1つの結果が気になる。

結果が芳しくないと、日々の行動を測定できず、不安になる。
不安は目標設定を狂わせる要素になる。
目前の利を追うことは当然であるが、貧すれば鈍するの理もある。
彼らの応援団長としての僕の仕事は、個々の最終目標に向かうベクトルをいまの結果だけで判断するのではなく、経過として状況判断するようにしている。
例え、結果が悪くても目標に向けた出来事であれば、僕自身も、ぐっと堪え、それで良しとする。

もちろん、ひとり一人との相互信頼に基づき、励ましたり叱ったりするが、なぜ、巧くいかなかったかを論理的に説明もする。

明確な目的意識、集中したディスカッション、そして結果を正確に分析し、すぐ、いま抱えているプロジェクトにフィードバックし、より効果的に反映する。

この作業を何度も何度も繰り返した先にしか、個々のスタイルは確立され得ないと思うからだ。

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