第272号『ルール』

【貝の秩序】
【貝の秩序】

弊社ではトイレの使用に関して、簡単な取り決めがある。
小便は座って所用すること。
理由の1つには女性と男性のトイレが別れておらず共有して使用しているため、なるべく汚さない工夫として座ることにした。
男の沽券に関わるとの議論もあろうが、そうした。

お恥ずかしい話であるが高校3年の夏、1週間ほど停学処分になった。
理由は、制帽を冠らずに登校したからだ。
当時、僕の通っていた高校の校則で登校時は必ず帽子をかぶることとされていた。

そんなことで停学になるのか?
大半の方は嘘だと思うであろう。
でも、これは事実である。
ついでに告白すれば卒業式の日、何人かの生徒と集まり、帽子に灯油を撒き火を放った。
たわいもないゲームだった。

その後、大学4年の夏、母校の高校で教育研修をした。
驚いたことに帽子をかぶっている生徒など、どこを探しても見当たらなかった。
聞けば学園紛争の後、帽子そのものが廃止となったという。

停学にした当の先生に、少し意地悪な気分で尋ねた。
なぜ、校則が変わったのかと。
先生曰く、「道徳も常識も校則も、時代とともに変わるんだよ」。
さらりと言ってのけた。
なるほどと関心し、合点した。
それからというもの、ルールに関して僕に1つの基準のようなものが生まれた。

ルールとは、その時々に一番美しく感じられる合理的な所作のことである、と。

1件のフィードバック

  1. 私も御社に伺ったとき、ルールを守っていました。
    そんなルールがあるとは知らず、そうしていました。
    我が家でもそうだからかもしれません。

    時代とともにルールは変遷しますよね。
    美しさの定義も、大切なものも、カッコ良さも。
    今や男性の8割は座って用をたすそうです。

    その時々のカッコ良さをファンサイトから教わっています。
    もちろん変わらない普遍的なものも。
    だからファンサイトファンなのでしょう。

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