Tから、会社経営の行き詰まりの相談を受けた。
彼は決して、野放図でもなければ怠慢な男でもない。
ただ、現状の変化があまりにはやく、流動的である。
結果、いままでの方法では、利益が生み出せない。
つまり、経営環境の厳しい状況が続いている、ということである。
ファンサイトを起こした当初、従業員もなく独りだったが、知人の紹介で初めから経理顧問をお願いした。
数字に疎く公私混同をしたくないと、漠然と考えていたからだ。
でも、その方法がよくわからない。
とりあえず、お金の管理をわけて見てくれる人がいれば、多少とも実現できるのではないかと思った。
会計事務所の所長にお会いした。
その時、彼から経営についてのアドバイスとともに一枚のメモを頂いた。
黒字企業の社長の特徴
□ 早起きで、朝一番に出社する。
□ 公私の区別がきちんとしている。
□ 黒字は当り前という強い信念を持っている。
□ 現場の声をよく聞く。
□ 毎月の数字をしっかり見ている。
□ 目標が明確で、具体化している。
□ 決算書だけでなく現場のデータ・管理会計データもきちんと見ている。
□ 利益の出る仕事かどうか吟味している。
□ 何事にもスピーディで、意思決定も早い。
□ チャレンジ精神がある。
□ 新商品・新技術の研究開発を怠らない。
□ 本業以外のことにむやみやたらに手を出さない。
□ 他社製品、同業他社、得意先や業界、市場動向などの情報収集に努めている。
□ 自社の強みと弱みの分析に努めている。
□ 中・長期のビジョンを持っている。
□ 休日も事業のことを考えている。
□ お客様の気持ちを熟知している。
□ 社長が顧客訪問をするなど、先頭に立って仕事をしている。
□ 業績が悪い時は自分の役員報酬からカットする。
□ 自分の給料の何倍も仕事をしている。
□ 社員教育が行き届いている。
□ 健康、元気でいつも明るい。
□ 夫婦仲が良い。
メモを見ながら所長は、続けて話した。
書かれていることは、経営する上でどれも当り前で、普通のことばかりです。
普通でないことはいくらでも存在します。
けれども、普通でないことは大概、持ち堪えることができません。
いずれ、壊れます。
普通のことを持ち堪えることが、一番難いことなんです。と。
いまも、時々ノートに書き写したこのメモを読み返す。