10年以上も前から馬鹿の一つ覚えの様に、これから企業はファンと本気で向き合わなければ、二進も三進もいかなくなる。
だから企業は自社サイトとは別に、熱のある顧客=ファンのための「ファンサイト」の設置をするべきだと、声を挙げてきた。
昨秋より頓に、企業のリーダーの方々からファンサイトづくりを試行したい、との相談が多くなった。
例えば、村上龍氏と経済人とのトーク番組をまとめた『カンブリア宮殿3 そして「消費者」だけが残った』から、ファーストリテイリング会長兼社長、柳井正氏の発言を引く。
「利益は血液のようなもので、それがないと活動できないわけですから絶対必要なのですが、会社の活動の目的は我々のファンを作ること、顧客を作ることだと思います。服を変えたり、世界を変えたりしていかないと、ファンはできないですよね」
さらに、日経新聞2009年11月3日付け「ニッポンの競争力」という特集で、資生堂社長、前田新造氏は以下のごとく言及している。
「人口減で顧客が減るという前提に立ち、事業モデルをどう組み替えるかが日本企業共通の課題となっている。解を探るには、顧客とどれだけ深く良い関係を保つかに尽きる。当社は美容部員や営業担当者の売り上げノルマを撤廃し、顧客の来店率などで評価する手法に改めた。顧客との関係作りの重要性に目を向けさせるためだ。きめ細かな顧客対応は、世界市場で成長するための競争力にもなる」
このリーダーたちの発言は、いずれも企業が目指す方向はどこかを明快に示している。
いま、インターネットという武器を手にした顧客は増々手強く、賢く進化し続けている。
熱のある顧客=ファンのニーズとウォンツを知らなければファンを満足させることなど、到底できない。
我が師、セオドア・レビット曰く。
「産業活動とは、製品を生産するプロセスではなく、顧客を満足させるプロセスであることを、すべてのビジネスマンは理解しなければならない」
しかし、この理を真に解し、実行している企業はまだまだ少数である。
2件のフィードバック
仰る通りだと思います。
企業は、これまでの「人・モノ・金」のコスト管理・削減経営から、「人・モノ・金」に「顧客」という要素を新たに加え、顧客との関係性を通じた経営をしなければならない時代に移行しました。
顧客と関係を深化させ、顧客の価値を発見・確認・実現し、企業と顧客とが共生・共育・共歓の関係を築いていく。
これをやった企業は勝ちますし、やらない企業は淘汰される、そんな時代になっていると思います。
本文中の資生堂なんかは、正にこのことが分かっていて、日本でも非常に先進的な取り組みをしていますよね。
企業は今正に、経営のパラダイムを変えなければならない時を迎えていると思います。
キヨさん。はじめまして、コメントありがとうございます。
今後ともよろしくお願いします。