選挙公約を守らないだけではなく、自らの発言も二転三転し、迷走するばかりの首相。
惨敗しても、辞意は冗談でしたと、ヌケヌケと言い放つサッカー日本代表監督。
いま、恥を知らないリーダー達が闊歩している。
こんな時、決まって「強いリーダー待望論」が出てくる。
どちらにしても、少しシリアスでブルーな気分になる。
アメリカの人類学者ルース・ベネディクトは1946年、著書『菊と刀』の中で、欧米は内面にキリスト教的、善悪の絶対基準を持つ「罪の文化」であり、他方、日本は内面に確固たる基準を欠き、他者からの評価を基準に行動が律せられる「恥の文化」であると言及した。
したがって、日本人は神の目を意識することなく「他人の目(ひと目)」を気にしながら行動する自立なき民族だと断じた。
この指摘に敗戦国、日本は戸惑った。
そして、「恥の文化」は個人の自立を損ねる規範でしかないとし、その非正当性を日本人は徹底的に刷り込まれた。
結果、自立と自己責任の名の下、個人の能力と目標達成でしか評価しない成果主義に、いまや人々は翻弄さている。
なんのことはない、『菊と刀』はアメリカの日本統治と占領政策を正当化するための政治的イデオロギーとして活用されただけのことであった。
もともと、日本人が築き上げた「恥の文化」とは、自然の摂理に従い、最大多数の由(よし)を実現するために人知を集めた行動規範であった。
「身の程を知る」「分をわきまえる」「恥を知る」とは、集団のなかで自分の果たすべき役割を認識していることである。
いまや、これらの言葉は瀕死の状態にある。
65年間もの永きにわたる、アメリカの占領政策で日本から「恥の文化」が消滅しかけている。
リーダー不在のいまこそ、私たち日本人とは何者なのかを、再度、問うてみる必要がある。
2件のフィードバック
まったく同感です。
若輩者の自分が言うのもなんですが
日本的思考回路はいいものもたくさんあると思います。
このままでは良い日本文化もろとも消滅しかねない。
権力の配下で自己都合優先ばかりのYESマンはもういらない。とか考えていたら実はある意味リスクも大きいが小沢さんと言う線も捨てがたい気がしました(wこの時期となってはちょっとリスクが大きすぎるかな??
丸中さま、コメントありがとうございます。
タイミングよい話題になりましたね。
小沢、鳩山退陣で収拾へと向かうのか、更なる試練が続くのか。
まさに、私たちが負わされているリスクの大きさに、身震いします。