いま、浜町にあるアトリエは仕事場と住まいを兼用している。
Q.「お住まいはどちらですか?」
A.「浜町です。」
Q.「ああ、浜松町ですか?」
A.「いや、人形町そばの浜町です。」
こんな遣り取りの会話が少なくない。
そもそも、人形町も浜町もどちらかと言えば、地味で人通りも他の町に比べれば少ない。
その人形町・浜町が最近なんとなく人通りが多い。
原因は、TVドラマ「新参者」のヒットだ。
初回の視聴率が21.0%と、TBS日曜日夜9時のドラマで20%を超えたのは、2007年放送の「華麗なる一族」以来とのこと。
原作は東野圭吾の小説、主演は阿部寛。
脇役も、黒木メイサ、向井理、溝端淳平、泉谷しげる、佐野高史、原田美枝子、三浦友和、原田芳雄、寺島進、夏川結衣など、若手と演技巧者のベテランが上手く絡み合い、久々見応えのあるドラマに仕上がっている。
そして、日頃、なにげなく通る町並みや、交差点、お店が映し出されるのも親近感が沸き、なんだかわけもなく自分のことのように嬉しい気分になる。
ドラマの中で、美味しいと評判で、行列のできる架空の鯛焼き屋さんが登場する。
阿部寛演ずる甘党の主人公は、なぜか毎回不運にも、この鯛焼きにありつけない。
コミカルなシーンのせいばかりではないだろうが、実在の鯛焼き屋も、このところ日増しに行列が長くなっている。
さまざまなグルメ情報の氾濫するいま、時ならぬ行列が生まれる。
この鯛焼き屋さんもその例外ではない。
行列とは、その鯛焼きを食いに来たのではなく、情報を食いに来たのである。
情報を食って満足すれば、いずれはこの行列はなくなる。
人形町・浜町界隈のお店は一様に間口が狭く、常連が入れば、すぐ一杯になる。
日曜日は大概どの店も休みだ。
つまり、家族で商いをしているということだ。
だから、無理をしない。
無理に店を広げない。
自分たちの身の丈に合った歩調で生きている。
この町のそんな風情が好きだ。
お知らせが1つ。
倅、川村元気 企画・プロデュース、中島哲也 監督、松たか子 主演 、
映画『告白』が6月5日(土)より公開されます。
ご高覧いただければ幸甚です。
こちらは、行列ができれば良いのですが・・・
2件のフィードバック
『告白』 あちこちで宣伝しておきますー!
かなりおもしろそうですよね!
日曜日、観てきました。
手前味噌のようですが、良い出来でした。
中島監督の技量に驚きました。
お勧めの1本です。