第391号『ねぷた太鼓』

【野に咲く白い花】
【野に咲く白い花】

9年前、2001年7月12日早朝。
弟が永眠した。
脳腫瘍と闘かった3年間だった。
長男である私の代わりに家業を継ぎ、地元の商工会や、ねぷた祭りの運営の先頭に立って動いていた。
誰からも信頼されていた。
帰省したときなど、もっと活気のある町にするためにはどうすればよいかを、夜遅くまで話し合った。
映画が好きで、バイクにまたがり、笑顔がさまになる奴だった。

その弟の死を目の当たりにして、はっきりとわかったことがある。
人は必ず死ぬという事実。
知っていることと、わかることとは違うということがわかった。
頭で知ることと、身体でわかることは違うのだ。
それまで、カッコつけていた。
それなりのポジションで、それなりにお金が稼げていればいい。
知ったかぶりを決め込み、誰かの片腕として重宝がられる自分でいいと。

でもそれは、主役でも脇役でもなく、自己満足に浸っているだけの傍観者でしかなかった。
自分の人生を他人の手に委ねていただけのことだ。
自分の人生を自分で切り開く。
だから、ファンサイトを起業した。

そして、いままた「やりたいこと」で頭がいっぱいだ。
しかし「やりたいこと」をカタチするためには、情熱というエネルギーだけでは実現できない。

「夢」だけではなく「現実」を、「やりたいこと」だけではなく「できること」をまずは冷静に書き出してみる。
例えば、
・ 資金はどのくらい必要なのか
・ 自分に与えれた残り時間はどのくらいか
・ 共に闘える人は誰と誰か
・ 1年後の売り上げは、5年後は、10年後は

クラクラするほど、実現したい山は大きく立ちはだかる。
そして、果たして自分にできるのかと、不安にかられる。

津軽はもうすぐ祭りの季節だ。
耳を澄ませば、弟が打ち鳴らす、ねぷた太鼓の音が聞こえてくるような気がする。
兄貴頑張れよ。と。

【ファンサイト通信夏休みのお知らせです。】
8月6日、13日はお休みとし、 次号は20日(金)配信とします。
よい夏休みを、お過ごしください。

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