第434号『日和』

【灯がともる日和の提灯】
【灯がともる日和の提灯】

居心地のよい居酒屋を見つけることは、何も言わずとも、分かりあえる友と出会うことと同じくらい難しい。

神田小川町にある居酒屋「日和」に通い始めて10年と少し。
カウンター越しに、寡黙な大将と、気さくで気遣いのある女将さんが切り盛りしている。
カウンターには、大皿に盛られた数品の総菜。
店の間口は一間、10人も入れば席がなくなる。
今年のファンサイト創立記念日も、ここで仲間と集まった。

「日和」との出会いは、友人で博報堂のソーシャルビジネス局ビジネスプロデュース部部長の野村秀之氏に連れていってもらったのが最初だった。
野村氏の、その日の言葉を思い出す。
「本当は誰にも教えたくないんですよ、この店は」と。
しかし、野村氏の言ったことが直ぐに、理解できた。

特別な素材を使っているわけでもない、著名な料理店で修行したでもない、だけれども、どれもこれも飽きのこない、そしてまた食べたくなる総菜。
お皿や、お猪口などの器も、懲り過ぎず、かといって地味でもなく品がある。
そして品数は少ないが、よく吟味された酒。
さらに、これだけ食べて飲んで、この値段でいいのと、思わず言ってしまいそうな価格。
一言でいえば、安心して食べて飲んで帰れる店なのだ。
だからなのか、実際、ほぼ毎日通う客も多い。
そして、人に教えると、結果として自分が座れなくなる。
本当に誰にも教えたくないんですよ、この店は。

ある夜、一人でカウンターに座り、食べ飲んでいた。
なにげなく、客と大将や女将さんとの遣り取りを見るともなく観ていた。
店は、いつものように満杯。
注文が次から次へとくる。
にこやかに受け答え、肴を用意する女将さん。
静かに注文を聞き、酒を用意する大将。
その時、ふとこの店がなぜ居心地がいいのか、分かったような気がした。

それは、料理の腕前や材料に関する蘊蓄でもなければ、店の方針や考え方でもない。
この二人の、佇まいが好きなんだ。と。
佇まいとは、その人が醸し出す態度や姿勢のことである。
安いとか、旨いとかといった理由だけでこの店に通っているわけじゃない。
大将と女将さんに向けた共感や敬意があるからこそ、僕にとってこの店は居心地がいいのだ。

しかし、残念ながら今週7日をもって「日和」は店じまいすることと相成った。
また、ひとつこの街から居心地の良い場所がなくなる。

惜別に
盃かさねる
日和かな

先週のアンケート結果です。

教えてください。

あなたは、ダイエットしたことがありますか?

a. いまダイエット中である。——————-45.2%
b. かつてダイエットしたことがある。———–19.4%
c. これまで1度もダイエットしたことがない。—35.5%

ダイエットは多くの方がにとって関心の高いテーマなんですね。

さて、今週のアンケートです。
教えて下さい。
あなたは、週に何度くらい外食しますか?

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ご協力ありがとうございました。

1件のフィードバック

  1. ショックです。。。

    日和が7.7
    日比田が7.29

    居心地のでよい場所が2箇所も暖簾を下ろすとは。。。

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