水位がたった60センチかよ!
26日、東京電力は福島第一原子力発電所2号機の格納容器内を工業用内視鏡で調べた結果、格納容器底部にたまっている冷却水の深さは約60センチだったと発表した。
これまで水深は、4メートル前後と推定してきたが、堆積した核燃料が完全に水につかっていない可能性も懸念されるという。
しかも、原子炉を冷やすために、いまも1時間当たり8.8トンもの水が注入されている。
その高濃度な放射性汚染排水が、だだ漏れ状態だったこともわかった。
福島第一原子力発電所のニュースが伝わってくる度に、重苦しい気分になる。
今回、この一連の人災事故についての報道から学んだことがある。
それは、日本の原子力行政の中枢にいる専門家の方々は、原子力発電が止まれば、自らの生業を失う、つまり原発で食べている人たちだったということだ。
まさしく利害の真っただ中にいる「専門家」から安全性に関して、中立的な発言を期待するほうがそもそも間違いだったのだ。
政府も、学者も、企業も、報道も、誰も責任もとらないし、どうすればいいかも分からないまま取り敢えず、いまは現状の推移を見守るという、なんのことはない無策状態が続いている。
こうした事態の背後にあったのは、「地球温暖化防止キャンペーン」である。
炭酸ガスが排出されると地球環境は破壊され、緑の地球が危うくなるという物語。
チームマイナス6%を画策したのは当時、環境省大臣だった小池百合子であり、結果、政・官・学・マスコミ・広告代理店・電力および関連産業・原発自治体が挙って、クリーンで安全という原子力エネルギーの物語を推進したのである。
炭酸ガスによって環境が悪化すれば、自然界はバランスを取る。
しかし、放射性廃棄物はときに数万年も放射線を発し続けるが、その処理方法はまだ確立されていない。
つまり、危うくなっているのは地球ではなく、われわれ、日本人そのものである。
残念ながら、この最悪の物語は進行したままである。
これから起こるであろう様々な事実を見極めるためにも、(誰がどの立ち位置で何を語るのか)少なくとも、いま僕たちは目を見開き、日本における原発利権のシンジケートがどうなっているかを、しっかりと知っておく必要がある。