先週、名古屋で働いている倅、勇気から、めずらしくメールがきた。
「今年は出るのか?」と。
「練習不足で、今年は観戦するよ」と返した。
昨年、10年ぶりに地元の小さな規模のトラアスロン大会に参加した。
次男が、一昨年の大会に参加していた。
その応援でレースを観戦し、再びやりたくなったのだ。
次男、勇気は口数の少ない不器用な男である。
ただ、決めたことは黙々とやり抜くタイプだ。
小さい時から、僕が参加したレースを観戦していた。
気が付けば、彼はいま、トライアスロンにどっぷりと嵌っている。
僕が参加することを、そして、一緒にレースに出ることを楽しみにしていたのかも知れない。
この様子を横で見ていた妻から、「なに言っているの、やってみなさいよ」と嗜められた。
さらに、「怖いんでしょう」とズバリ、指摘された。
そして、「途中棄権でもいいから、ともかく参加してみたら」と応援してくれた。
昨年のレースで事故が起きた。
最初の種目、スイムで同じグループで泳いでいた50代男性が亡くなった。
僕のすぐ前で、レスキューに海水から引き上げれ、運ばれていった。
実は、この時、僕も溺れかけていた。
たまたま、近くにあったコースブイにしがみつき一息いれることができた。
原因は、過呼吸。
急に冷たい海水に入ったからか、心拍数が急激に上がる。
恐怖心に支配された。
そして今年、参加しない理由を思い巡らしていた。
加齢からくる身体的な衰え。
仕事の重圧と、練習時間の不足。
水に対する恐怖。
いくらでも思いついた。
でも、心のどこかで、この言い訳を快く思ってはいない自分がいた。
そんなとき、雑誌に載っていたこの言葉に出会った。
思考に気をつけなさい。
思考に気をつけなさい、それはいつか言葉になるから。
言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから。
行動に気をつけなさい、それはいつか性格になるから。
性格に気をつけなさい、それはいつか運命になるから。
マザー・テレサ
まずは、やってみよう。
そう決めた。